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ドコモ、チャイナモバイル、KTがWi-Fiローミングインで協業

ドコモ、チャイナモバイル、KTがWi-Fiローミングインで協業

 NTTドコモ、中国のチャイナモバイル、韓国のKTは、それぞれが提供している公衆無線LANスポットへのローミングインに関して、ほかのキャリア向けの接続協定などを3社で一本化する。2013年度第1四半期(4~6月期)に提供を開始する予定。スペインのバルセロナで2月25日から開催されている「Mobile World Congress 2013」では3社共同でブースを出展し、海外のキャリアに向けて案内を開始している。

 ドコモ、チャイナモバイル、KTの3社は、2011年1月に事業協力関係の構築に合意したと発表していたが、今回の3社の発表で具体的な取り組みが明らかになった。Wi-Fiローミングインは、ローミングで訪れたユーザーが、接続先のキャリアが提供している公衆無線LANスポットにも接続できるというもので、例えば、ボーダーフォンUKの回線を契約しているユーザーが日本を訪れ、ローミングで3Gを利用しながら、ドコモの公衆無線LANサービスにもログインできることがWi-Fiローミングインの例として挙げられる。

 従来はこのWi-Fiローミングインについて、キャリアは接続先の他国のキャリアごとに事業者間協定を締結する必要があったが、今回の取り組みにより、ドコモ、チャイナモバイル、KTの3社については、ハブ事業者を介することで事業者間協定・接続が一本化される。ハブ事業者としてはチャイナモバイルの子会社、China Mobile International(CMI)が参画する。3社は合計するとアジア太平洋地域のモバイルトラフィックの9割を占めるとされ、欧米など海外のキャリアに対しWi-Fiローミングインの接続を働きかけていく。なお、ハブ事業者はCMI以外でも参画できるような体制が構築される予定。

 3社は同時に、SIM認証技術を利用する「EAP-SIM」認証に対応したネットワークを構築する予定で、2013年度第1四半期を目処に対応端末で利用できるようになる見込み。これは今回の3社の協業とは別の案件だが、提供できる時期が揃ったことか合わせて発表されている。「EAP-SIM」認証は、公衆無線LANスポットにログインする際にSIMの契約者情報を利用し、簡単に素早くログインできるようになるというもの。一部のスマートフォンやiPhoneで導入されている。

太田 亮三