【Mobile World Congress 2013】
キーノートスピーチで事業モデルの変化を語る、ドコモ加藤社長
(2013/2/26 12:38)
「Mobile World Congress 2013」のキーノートスピーチに、NTTドコモの代表取締役社長、加藤薫氏が登壇。モバイル業界の構造変化や、それに伴うドコモの戦略を解説した。
加藤氏は、モバイル業界の構造が変わりつつあることに言及。モバイルを3つの段階に分けた図を示し、プラットフォーム、サービスが、重要性を増した第3段階に移りつつあることを指摘した。
iモードが中心だった「第2段階では大成功を収めた」(加藤氏)というドコモ。「第2段階に入り音声からの収入は落ちたが、拡大するデータがそれを上回った」(同)という。結果として、データ通信から得られる収益の比率は、世界でもっとも高くなった。
一方で、スマートフォンが広がり、現在はより上位のレイヤーが重要となる第3段階にシフトしている。こうした潮流に従い、ドコモも「追加の収益を新しいビジネスから得る」(同)戦略を打ち出している。
「プラットフォームを用意し、手数料をいただいていた」(同)というiモードの頃のビジネスモデルに加え、ドコモ自身が直接サービスやコンテンツを提供することも始めた。スマートフォン上で展開している「dマーケット」にはそのような狙いがあり、「キャリアが直接運営しているポータルで、慎重に選定した高いクオリティのコンテンツを提供している」(同)。
また、「Mobile World Congress 2013」でのメインテーマになっているNFCについては、おサイフケータイやiDの実績を紹介。対応端末利用者は3700万人にのぼり、日本ではコンビニエンスストアにもリーダーライターが当たり前のように置かれているとした。
健康分野については、オムロンと提携。「春に新しいヘルスケアのプラットフォームを開始する」(同)という。こうしたサービスを支えるには、「ハイスピードのネットワークが欠かせない」という加藤氏。2年前に開始したLTE(Xi)は1000万契約を突破し、2015年には4100万契約を見込む。こうした取り組みを通じて、ドコモは1兆円の売上高を目指すという考えが示された。