グーグル、ベータ版サービスや検索サービスの今後を説明


グーグル 製品開発本部長の徳生健太郎氏

 グーグルは都内で記者向けに説明会を開催し、検索サービスの今後の展開や現在提供している追加機能、ベータ版サービスなどについて解説を行った。

 グーグル 製品開発本部長の徳生健太郎氏は、「クロールするたびに10~20%は新しいページ。動画は、1分間に24時間分のデータがアップロードされている。9カ月前は20時間分だった。携帯電話やブロードバンドの普及で、受信だけでなく誰もが送信でき、コンテンツが多様化している」と世界のネットの状況を説明。そういった多様化する中で、日本のインターネットユーザーは、インターネットをどうとらえているかを調査した結果が紹介された。

 

インターネットや検索サービスに対する調査

 調査は、マクロミルが実施したインターネット調査で、全国の小学生から50代までの男女が対象。有効回答数は6600件。グーグルのユーザーに限らない、一般的なインターネットユーザーに対して調査が行われた。

 調査では、利用目的において学生だけに限定すると男女ともに動画が人気となっている結果や、女子学生でブログが多く利用されている結果が明らかになった。パソコンは自宅を中心に使われる一方、携帯電話は自宅と外出先の両方で使われ、スマートフォンはインターネットの利用時間、検索回数ともに携帯電話での利用を上回る結果となった。また、じっくり調べるものはパソコンで、外出先で手軽に調べるものは携帯電話・スマートフォンを利用するといった使い分けられている実態も明らかになっている。

 検索方法で便利だと思うものについては、「写真・画像」「声」「記憶や考え」「音・音楽」「動画」「手触り・触覚」「匂い」の順になったほか、検索エンジンからオススメしてもらいたい情報の種類や、検索エンジンで対応したら使いたい機能などが明らかにされた。

 グーグル プロダクトマネージャーの鈴木宏輔氏は、「スマートフォンでは外出先でよりリッチな検索が可能となっている。入力をもっと簡単にしてほしいという要望があり、また、ユーザーは自分に関連性の高い検索結果を望んでいる」と調査結果をまとめた。

インターネットの利用目的使用機器別のネット利用時間と検索回数
使用機器別の検索ジャンルあったら便利だと思う検索方法
検索エンジンが提供してくれたら、使いたいと思う機能検索エンジンが提供してくれたら、使いたいと思う機能の自由回答

 

新機能やベータ版サービスのデモ

モバイル担当プロダクトマネージャーの井上陸氏(左)と、プロダクトマネージャーの鈴木宏輔氏(右)

 これらの結果を受けて、徳生氏や鈴木氏、モバイル担当プロダクトマネージャーの井上陸氏からは、現在提供されているグーグルの検索サービスやベータ版サービスが解説された。

 基本的なところでは、テキスト入力の検索フォームで候補を表示する[Google サジェスト」機能や、「Google 日本語入力」といったパソコン向けソフトウェア、携帯端末における音声検索の概要がデモを交えて紹介された。

 ベータ版サービスとして提供中の、画像認識・検索アプリ「Google ゴーグル」では、著名な山(デモでは写真)を撮影すると、山の名前や地図上の位置が表示される様子が紹介されたほか、手書き入力で端末内の情報を絞り込みながら検索できる「Google ジェスチャー」、ある商品について、在庫のある周囲の店舗を検索できる「Local Product Search」といったサービス・機能が紹介された。

 なお、「Google ゴーグル」「Google ジェスチャー」についてはAndroid端末向けに「グーグル ラボ」の実験的なアプリとして提供されている。いずれも英語版。「Local Product Search」は現在米国にてベータ版として提供されている。

 デモではこのほか、場所の特性を考慮した検索結果を表示する仕組みや、リアルタイム検索、スター機能など、追加的に提供されているさまざまな機能が紹介された。

「Google ゴーグル」のデモ。本物の代わりに写真を撮影英語版だが、新宿駅西口地下広場の「新宿の目」に関する情報が表示された
「Google ジェスチャー」はアルファベットを手描きすることで、端末内のアドレス帳やブックマーク、音楽ファイルなどを検索できる米国でベータ版として提供されている「Local Product Search」

 

半年で25の機能を提供

 徳生氏は、グーグル全体で2009年に550に上る機能を改善・追加し、日本においても過去6カ月で25の機能を提供したことを明らかにした。同氏はユーザーからの、触覚、匂いで検索といった「期待の大きさ」を認めつつ、「一昔前なら音や画像の検索はできなかった。今では二条城のように歴史的な建造物を記録したり、普段は触れない書物を見られるようにしたりしている。不可能だと言ったらなにもできない。難しいことだが、ユーザーが求めるものを一発で返せるようにしていきたい」と、今後のサービス拡充に対する意気込みを語った。

 なお、今回紹介されたベータ版サービスは基本的に英語版となっていたが、徳生氏は、日本語化について積極的に対応していきたいとの方針を明らかにしている。

過去6カ月に日本のグーグルサービスに追加された機能
会場に用意されたデモコーナー。「Google ゴーグル」で画像を認識しているところヨセミテ国立公園の「ハーフドーム」であることが表示された

 



(太田 亮三)

2010/4/6 15:13