ドコモ山田社長、「Xperiaは新感覚エンタテイメントマシン」


ドコモの山田社長(左)とソニー・エリクソンのノルドベリ氏(右)

 21日、NTTドコモとソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズは、Android搭載スマートフォン「Xperia(エクスペリア)」を4月にも日本国内で発売すると発表した。都内で行われた発表会では、ドコモ代表取締役社長の山田隆持氏、ソニー・エリクソン プレジデントのバート・ノルドベリ(Bert Nordberg)氏が登壇した。

ドコモ山田社長が語るXperia、今後の取り組みも

 プレゼンテーションを行った山田氏は、まず「Xperia」について、「新感覚エンタテインメント」「新感覚フォトコミュニケーション」「ハイスペック」と3つの特徴を紹介した。これはMediascape、Timescape、そして充実したハードウェアの仕様のこと。インフィニットボタンを利用したシームレスなアクセスや、顔認識技術を応用した新たなコミュニケーション機能などを具体的に紹介したほか、ハードウェア面では高解像度のディスプレイによって、YouTubeが高画質モードで利用できること、Xperiaで撮影した動画もHSUPAでスピーディにアップロードできることなどが示され、「これぞまさに新感覚エンタテイメントマシン」と評した。

Xperiaを新感覚エンタテインメントマシンと紹介

 Xperiaを含めた、同社によるスマートフォンへの取り組みも紹介された。iモードメールについては、既存サービス「iモード.net」とは別の取り組みとして、年内にも対応する方針が明らかにされた。またAndorid向けアプリを紹介する「ドコモマーケット」は、現状のAndroidマーケットではITリテラシーの高さが求められることから提供することになったポータル的サービスであり、将来的に他キャリア端末からもアクセスできるようにするなど、“オープン性”が大きな柱になるサービスと位置付けた。

 また料金面についてパケット通信定額オプション「Biz・ホーダイ ダブル」を「パケ・ホーダイ ダブル」に統合することに触れた同氏は「iモード対応ケータイとスマートフォンで、料金プランの変更が不要になる。統合できてすっきりした」と語り、利便性が向上するとアピール。会見の囲み取材では、1契約でFOMAカード(SIMカード)を抜き差しするだけで、携帯電話とスマートフォンを利用できるとアピールする一方、1契約で複数端末を手軽に利用できる環境については「現状、何らかの計画はない」とした。

 このほか、Androidのバージョンアップについても現時点では未定とされたほか、競合端末となるアップルのiPhoneとの競争力を問われると「優位点はハードウェアとソフトウェアの両面である。ハード面ではHSUPAで上り速度が高速化したこと。そしてディスプレイが高精細なこと。カメラもiPhoneと比較すれば高精細。またソフトウェア面では『ドコモマーケット』をプリインストールするなど、使いやすい端末になっているのではないか」とした。この点について、同席したソニー・エリクソンのノルドベリ氏は「1つはAndroidがオープンなソフトウェアであること。たとえばマーケットプレイスが例になる。Xperiaには“GB(ギガバイト)”の制約がない」と語り、メモリカードを例に、オープンプラットフォームの優位性を指摘した。

ノルドベリ氏が語るXperiaの意義

 昨年秋にソニー・エリクソン プレジデントへ就任したノルドベリ氏は、会見冒頭に「こういった発表会は就任以来、初めて。携帯電話の先端市場である日本でXperiaをリリースすることは喜び」と語る。

 エリクソン出身の同氏は、Xperiaが東京オフィスが牽引して開発された機種であるとしたほか、世界同時発売予定ながら、日本ではドコモとパートナーとなったことで、他国市場よりも先駆けて登場することが明らかにされた。

ソニーの標語「make.believe」

 また、ソニーグループの標語「make.believe(メイク ドット ビリーブ)」を紹介したノルドベリ氏は「believeは夢や理念といった意味、makeはそういった構想を実現する力のこと。その2つをドットが繋ぐ」と説明し、“コミュニケーション エンターテイメント(Communication Entertainment)”というソニー・エリクソンのコンセプトがXperiaで実現された、と語っていた。

 昨年11月の発表以来、世界中の開発者やユーザーなどから高評価を得たとのことで、日本ではドコモとともに多くのアプリを提供できると述べ、今後も日本市場へ注力するとした。

 このほかプレゼンテーションでは、レーベルゲート代表取締役 執行役員社長の佐藤亘宏氏が登壇し、「mora touch」を紹介。同氏は、サービス名称について、新たな感性のサービスという面と、“人と人の触れあい”という意味を込めて名付けたと説明。新サービスを「一言で表現すれば、“成長する環境・端末”への“成長するサービス”」と表現し、これまでPC向けサービスで実現できたサービス内容をモバイルでも提供できるとした。また、サービス内容については「Androidなので今後も進化する。まずは今のサービスを体験して欲しい」と語っていた。

 



(関口 聖)

2010/1/21 19:59