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ドコモが東京・丸の内の5Gミリ波エリア拡大へ 三菱地所と景観に溶け込む新基地局を共同開発

 NTTドコモと三菱地所は24日、三菱地所の物件が多数所在する丸の内エリア(大手町、丸の内、有楽町)で、「次世代スマートシティ」を共同で構築する取り組みを開始すると発表した。高品質な通信環境を基盤とし、ミリ波などを活用した5Gサービスを積極的に展開する。

景観に配慮した「都市型アンテナソリューション」を共同開発

 具体的には、景観と電波特性を融合させた「都市型アンテナソリューション」を開発する。丸の内エリアでは、多数のユーザーが行き交い、通信量が多いエリアである一方、ビルの景観を維持するため、低層部への基地局の設置では通信事業者の希望が必ずしも通らない現状があった。

 これをふまえ、「都市型アンテナソリューション」では、都市の景観に配慮したアンテナや装置を設置するべく、2社が共同でインフラ開発を進める。ドコモのガラスアンテナなどの装置や技術と、三菱地所の不動産や都市開発のノウハウを掛け合わせ、景観に合わせたソリューションをパッケージ化したり、個々の不動産やロケーションに応じた設置手法を考案したりする。

 また、人流や通信が集中するポイントを的確にカバーできる最適なアンテナ配置手法を検証する。

 このほか、三菱地所傘下の丸の内ダイレクトアクセスが保有するデータセンターや光ファイバー網など、施設にある既存アセットを活用した基地局の設置を検討し、効率的かつ経済的な基地局設置の実現を目指す。

5G通信の品質改善への取り組み

 ミリ波は、5Gサービスの中でも、超高速、超大容量、低遅延という特徴を持ったサービスだが、高い周波数帯を利用するため、電波の直進性や減衰性が高い。このため、これまで基地局を設置していたビルの屋上では、地上に届くミリ波の電波が弱くなってしまうため、ビルの低層部に設置するのが望ましい。ただ、景観に配慮されているエリアでは、景観保護の観点からアンテナの設置が難しかった。今回の取り組みでは、景観に配慮した基地局設置を2社で共同開発することで、ミリ波のエリア拡大とそれによる通信品質向上を狙うものだ。

 インフラの他社シェアリング(相乗り)についても柔軟な姿勢を示す。ドコモが第一号として基地局整備を開始するものの、三菱地所が元々展開している5Gインフラシェア事業の仕組みを活用し、後から他事業者が参入できるように十分なスペースを確保することも想定されており、オープンな共有インフラとしての運用を目指して検討が進められる。

 ミリ波エリアの構築を加速させるため、ドコモは2026年6月に日本初のオークションで獲得した「26GHz帯」および既存の「28GHz帯」を合わせた計800MHz幅のミリ波帯域を投入。さらに、3.5GHz帯、3.7GHz帯、4.5GHz帯の3つの周波数帯を組み合わせることで計280MHz幅を使用する最新技術「Tri-Band Massive MIMO(トライバンドMassive MIMO)」やガラスアンテナなどの先進技術を導入した基地局を新たに設置する。Tri-Band Massive MIMOは、音楽イベント「サマーソニック」で先行試験導入され、下り通信速度において安定したGbps(ギガベース)クラスの超高速通信を記録しており、ユーザーにとっては繋がりにくかったという同イベントにおいて大幅な改善を果たしたという。

 すでに具体的な基盤の検討は進められており、アンテナの設置場所などの検討は今年度中に、実際のサービスは来年度中に開始するとしている。

FOMA時代にも丸の内エリアで共同検討

 なお、過去には2002年9月に丸の内地区で「最先端のモバイル地区を創造するための検討」を実施。FOMAのビル内基地局を丸の内ダイレクトアクセスの光ファイバー網を使って導入するなどの検討を実施していた。