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AIで商業施設開発をサポート、「KDDI Market Compass」開始
2026年8月20日 19:35
KDDIとJR西日本SC開発は、商業施設開発に関する調査や分析、戦略立案を支援するAIサービス「KDDI Market Compass」を開発した。KDDIにより法人向けに提供される。
KDDIのデータとJR西日本SCの知見をかけ合わせたAIソリューション
KDDI Market Compassは、KDDIの持つ位置情報データや属性データと、JR西日本SC開発がこれまでの商業施設開発で得た調査項目や評価観点、仮説構築といった知見やノウハウを組み合わせたAIサービス。
AIは商圏や競合他社のデータ、人流データなどを分析し、顧客ニーズや市場環境を踏まえた施設コンセプト、ターゲット設定、テナント戦略などの戦略仮説を提示する。従来、商業施設開発にあたり、時間とコストを要していた調査・分析、戦略立案の効率化を実現する。
KDDIの持つ位置情報はスマートフォンの位置情報がもとで、事前にユーザーの許諾を得たうえで活用している。情報は加工されているため、個人の特定はできない。最新3日前のデータを利用でき、狭域メッシュ単位での人流の把握や過去との比較などができる。通信契約の情報に基づく性別や年代の属性情報と位置情報を組み合わせることで、人の流れの実態をより詳細に分析できるという。
仮説の提示には、JR西日本SC開発が商業施設開発で活用してきた分析観点や意思決定のノウハウが活かされている。商圏データから想定される利用者(ペルソナ)を生成し、そこから生まれる仮想のインタビューを実施する。内容は議事録形式でまとめられ、定量的なデータだけでは把握が難しい潜在的なニーズや行動特性の把握を支援し、狙うべきターゲット層の確認や有効な施設コンセプト・テナント構成、競合との差別化に向けた戦略を提示する。
コスト・時間の問題をAIで解決、他業界への展開も
商業施設の立ち上げにおいて、コンセプトの定義やターゲット設定、テナントの構成には特定の商圏における市場分析が欠かせない。一方で、専門的な人材が必要なことや時間や費用面の負担が大きい。
また、スマートフォンやSNSの普及により、消費者が手にする情報が格段に増えたことから、ショッピングセンターに求められる価値も変化したと、JR西日本SC開発 執行役員 カンパニー統括本部 副統括本部長兼経営戦略部 部長の舟本恵氏は説明する。
売り場のスペースに限りがあるリアル店舗では、ECサイトのように利用者一人ひとりにパーソナライズすることは難しい。一方で多くの人に同じ価値を提供するマスマーケティングの考え方では、細分化・多様化するニーズに応えられない。そこでその施設がある地域を深く理解し、最適な価値を提供するローカライゼーションが現代の商業施設に求められるものだという。
しかし、この手法には市場の定義から、顧客理解、戦略の策定と多数の段階を経る必要があり、通常は4カ月以上はかかるという。KDDI Market Compassには、一連の作業にかかるJR西日本SC開発のノウハウが詰め込まれており、同じ作業を最短で1日に短縮できる。コスト面では、年間で数百万円程度におさえられ、従来の手法と比較して60%削減できる。
KDDI ビジネスグロース事業本部 グロース事業推進本部 AIインテグレーション事業推進部長の北条裕樹氏はKDDI Market Compassを「単なる業務効率化ツールではない」として、コスト問題で、十分な分析ができなかった地方都市や小規模な事業者にも利用を広げることで、地域活性化やコミュニティの維持などの効果が期待できるとした。当初は商業施設開発を対象として提供されるが、不動産や都市開発における利用なども視野に入れる。

























