ニュース
全国のドコモショップで”耳を塞がない集音器""「cocoe Ear」試せるように、補聴器の心理的ハードルを越える新提案
2026年7月10日 00:00
NTTドコモは、6月からNTTソノリティのオープンイヤー型集音器「cocoe Ear」を全国のドコモショップとドコモオンラインショップで発売している。また、一部のドコモショップで「cocoe Ear」を体験できる展示を展開している。価格は3万9600円。
「cocoe Ear」は、NTTの「PSZ(パーソナライズドサウンドゾーン)」技術を取り入れた集音器で、密閉型ではないオープンイヤー型の構造を採用している。これにより、耳に自然に入ってくる音にデバイスが補完するような形でユーザーの“聞こえ”をサポートする。また、密閉型ではないため自然なかけ心地を実現している。集音器として周囲の音を補完するだけでなく、Bluetoothイヤホンとして利用したり、別売りのトランスミッターを使って離れたテレビの音を再生したりできる。
各都道府県に1つ以上設置
全国56店舗のドコモショップでは「cocoe Ear」を実際に体験できる展示を展開している。各都道府県に少なくとも1つ設置されているといい、たとえば東京都ではドコモショップ六本木店、千葉県では茂原店、埼玉県では飯能店など、都心部だけでなく地方のショッピングモールにある店舗などが選ばれている。ドコモによると、スペースなど体験環境を確実に整えられる店を選んでいるとのことで、多くのユーザーにアクセスしやすい店舗が選定されているようだ。
たとえば、六本木店では契約カウンターの近くに実機が設置されており、実際に着け心地を体験できる。すぐ近くにスタッフがいるので、不明点も直接確認でき、そのまま購入できるという。密閉式ではないため、補聴器のように耳の型取りをする必要もない。
ドコモ担当者は、「補聴器の普及率について、米国や欧州では難聴者のうち約40%まで普及しているが、日本では約16%にとどまっている。価格のハードルや日本人特有の心理的ハードルがあるのではないか。『cocoe Ear』は集音器でありながらオープンイヤー型で独特の閉塞感もなく、身に着けやすい」と評価する。
また、2025年12月から一部店舗でトライアル実証を実施していた。接客応対時に「cocoe Ear」を装着してもらうもので、実際に耳が聞こえづらいユーザーに利用してもらうと、平時よりも会話がしやすいと高い評価を得たという。利用後のアンケートでも、85.7%のユーザーが「説明がわかりやすかった」、86%のユーザーが「自宅でも利用したい」と回答している。
使い分けしやすく、すぐ使える操作性
「cocoe Ear」は、フルワイヤレスイヤホンと同様に、本体が左右それぞれ分かれており、耳にかけるようなイメージで利用する。本体は軽量で、耳にかけていることを忘れてしまいそうだ。充電ケースから取り出し、本体を耳にかけるだけで電源が入る仕組みで、本体には電源ボタンと音量スイッチが用意されている。また、スマートフォンアプリも用意しており、耳の聞こえ方や音量を細かく調整できる。
オープンイヤー型ならではの特徴として、開発担当者は処理速度の高さを挙げる。「cocoe Ear」では、加齢で聞こえづらくなる高い音域を中心に補完しているが、もしデバイス側での処理が遅れてしまうと補完された音と現実の音が同期しなくなり、エコーがかかったように聞こえてしまう。「cocoe Ear」では、この遅延を大幅に削減することで、ユーザーが聞こえづらい音をメインに補完する。
また、シニア世代からは「本体の紛失」を心配する声が多かったという。「cocoe Ear」では、別売りでネックストラップを用意し、紛失のリスクを低減している。副次的なメリットとして、「会議」や「接客」など人と会話するシーンでのみ使いたい場合、普段は首にかけておけば、手間なく利用できる。
別売りのトランスミッター「cocoe Link」(1万560円)は、Bluetooth Auracastに対応している。Bluetooth Audioでは、1対1でペアリングされるが、Auracastでは多数のデバイスに同時に送信できる。Auracast対応の「cocoe Link」を使えば、夫婦で「cocoe Ear」を装着し、同じテレビの音声を楽しめる。
「cocoe Link」には、「オープン送信」と「プライベート送信」という2つのモードが用意されている。オープン送信モードでは、Auracast対応イヤホンで「cocoe Link」を選択すれば誰でも受信できるが、プライベート送信モードでは、あらかじめ「cocoe Link」とペアリングしたデバイスしか受信できないようになる。「cocoe Ear」では、充電ケースと「cocoe Link」をUSB Type-Cケーブルで接続しボタンを押すだけでペアリングができるユーザーインターフェイス(UI)を採用しており、誰でも簡単に設定できるよう配慮されている。
通信以外の領域へ拡大
ドコモ担当者は「集音器のマーケット自体はかなり広がってきている」とコメント。実際に、家電量販店でも集音器コーナーの面積が増えてきているといい、今後ユーザーニーズの拡大を予想している。
また、加齢による身体機能の低下は聴覚だけではないと指摘。さまざまなデバイスを取り揃え、ユーザーの“生活の質”が上がるようなサポートにも取り組んでいきたいとした。
加えて、「ユーザーの最寄りに店舗がある」キャリアショップならではの「ショップで商品を体験し、そのまま購入につなげられる」特徴を活かし、今後も体験できる店舗の設置や店舗数の拡大なども検討していくと話した。









