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携帯キャリア4社とモバイルバッテリーメーカーが災害時の電源機材提供の連携協定を締結

 NTTグループとKDDI、ソフトバンク、楽天モバイルは18日、モバイルバッテリーメーカー7社とともに、災害時における電源確保に向けて被災地への電源関連の機材提供に関する連携協定を締結すると発表した。

 携帯各社では、災害時における連携プロジェクト「つなぐ×かえるプロジェクト」を進めており、モバイルバッテリーメーカーが協力し、モバイルバッテリーなどの電源関連機材を被災地に届ける取り組みを行っていく。

 参加するモバイルバッテリーメーカーは、アンカー・ジャパンとINFORICH、EcoFlow Technology Japan、エレコム、オウルテック、CIO、ユーグリーン・ジャパンの7社。

携帯キャリアがモバイルバッテリーを支援物資として届ける

 今回の取り組みでは、携帯キャリア各社が実施している災害支援を活用する形で、モバイルバッテリーを災害支援物資として被災者に届ける。

 モバイルバッテリーメーカーは、被災地に届ける機材の調達や施策の告知、資料の作成を担う。災害発生時は、モバイルバッテリーメーカーが通信キャリアの拠点に支援物資を配送し、キャリア各社がその物資を被災地まで届けるかたちで提供される。

 携帯キャリア各社は、「つなぐ×かえるプロジェクト」で連携しており、災害支援の情報を各社で同一のものを提供するようにしている。たとえば、ある地域の支援情報を見たい場合、4社それぞれのWebサイトを確認しなくても、いずれか1社のサイトを見るだけで支援状況を確認できるようになっている。今回のモバイルバッテリーの取り組みでも、メーカーで情報発信を共通化し、いずれかのサイトを1つ確認するだけで、情報を得られるようにする。

携帯キャリアの災害時の取り組み

 携帯キャリア各社では、従前から災害時における被災者支援に取り組んでいる。倒壊した基地局を復旧させたり、避難所に衛星通信によるWi-Fi環境を整備したりするなど、通信環境を維持するためさまざまな取り組みを進めている。また、インフラとなったスマートフォンを継続して利用できるよう、避難所に充電スポットを整備するなどの取り組みを進めている。近年はキャリア4社が協力して取り組む体制を整備しており、重複した支援の解消や、発電機の燃料を融通しあうなど、効率的な支援に向けて取り組んでいる。

 NTT技術企画部門災害対策室長の倉内努氏は「元々の設備を復旧できればいいが、すぐに復旧できない場合に、被災者が集まる避難所で臨時の通信設備を整備するなど取り組みを進めている。普段はライバル会社であるが、災害時は協調して取り組んでいる」と話す。

NTT技術企画部門災害対策室長の倉内努氏

 災害支援では、これまでスマートフォンなどのデバイスを充電できるスポットを設置していた。一方、被災者からは「手元で充電できる環境があるとより安心感につながる」という声があり、キャリアでもモバイルバッテリーを被災支援に活用する取り組みが一部で進められている。

モバイルバッテリーメーカーでの支援も限界があった

 一方、モバイルバッテリーメーカーでも、災害時に被災者を支援する取り組みを進めている。

 たとえば、アンカーでは、全国12の地方自治体と協定を締結し、ポータブル電源や災害対策セット「防災POWER BAG」を配備している。EcoFlowやエレコムでも地方自治体との連携を進めているほか、オウルテックやCIOでも地元の自治体を中心に災害時におけるモバイルバッテリーの供給体制を構築している。

 アンカー・ジャパン コーポレート本部長の井田真人氏は「アンカーでも2016年の熊本地震を皮切りにポータブル電源を100台提供してきた。被災地の需要の声や、何が必要かを考えながら提供している。ほかのメーカーも、何ができるのかというのを模索しながら取り組みを進めてきた」と説明する。モバイルバッテリーのシェアリングサービスを展開するINFORICHでは、災害地域に設置しているバッテリースタンドから48時間無料でレンタルできる施策を実施している。

アンカー・ジャパン コーポレート本部長の井田真人氏
各社の取り組み
アンカー・ジャパン
INFORICH
EcoFlow Technology Japan
エレコム
オウルテック
CIO
ユーグリーン・ジャパン

 一方、メーカーごとに対応することには「限界があった」と井田氏は語る。被災地に対して支援物資を配送する際も「どこに届けていいかわからない」、被災地側も「どう受け入れていいかわからない」という問題があったという。エレコム 商品開発部ヘルスケア事業部長の葉田甲太氏も「熊本豪雨や能登半島地震でモバイルバッテリーを2000台供給したが、供給方法に苦労した」とコメント。オウルテック広報部マネージャーの北村達哉氏は「1市町村と連携協定を締結しても、それがなかなか広がらない」と語るなど、メーカーそれぞれが同様の問題を抱えていることがうかがえる。

エレコム 商品開発部ヘルスケア事業部長の葉田甲太氏
オウルテック広報部マネージャーの北村達哉氏

 また、CIO経営企画本部事業推進本部の牲川浩之氏は「能登半島地震の際に支援を表明したが、結局自治体と連携できず、手元のバッテリーを届けられなかった」と語るなど、自治体との連携に課題もあるという。

CIO経営企画本部事業推進本部の牲川浩之氏

 携帯キャリアの災害支援網を活用することで、支援物資の配送や受け入れ方法の課題が解消され、災害支援の一層の効率化が図られる。

後列左からソフトバンク営業戦略本部事業企画統括部事業企画部部長の神恵聖氏、オウルテック広報部マネージャーの北村達哉氏、CIO経営企画本部事業推進本部取締役の牲川浩之氏、ユーグリーン・じゃお案営業部第一営業部マネージャーの王俊善氏、KDDIコーポレート統括本部総務本部総務部長の大沼悠太氏、前列左から楽天モバイルBCP管理本部本部長の磯邉直志氏、アンカー・ジャパンコーポレート本部執行役員コーポレート本部本部長の井田真人氏、INFORICH NEW Business Division執行役員の梶桃郎氏、EcoFlow Technology Japan広報部PCマネージャーの李由紀氏、エレコム商品開発部ヘルスケア事業部執行役員部長の葉田甲太氏、NTT技術企画部門災害対策室室長の倉内努氏

【追記 2026/05/18 18:55】
詳報を追記しました。