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「楽天市場」の接客が激変、楽天AI導入で問い合わせ対応時間が3分の1になった理由

 楽天は7日、報道陣向けに「楽天市場」におけるAI活用に関する説明会を開催した。ユーザー向けの対話型機能「AIコンシェルジュ」や出店店舗向けの支援ツール「Rakuten AI for RMS」を通じて、買い物体験の向上と店舗運営の効率化を図る。

楽天市場におけるAI活用

 楽天グループは「AI-nization」を掲げ、ビジネスパートナーやユーザーに対するAIの活用を推進している。1億を超える会員IDと70以上のサービスから得られる年間3兆以上のデータが、AIによるユーザー分析と提案の基盤となっている。

 執行役員 市場編成部 ジェネラルマネージャーの高間真里氏は、「オンラインとオフラインのショッピング体験」をキーワードに挙げ、オンラインでも実店舗のような接客体験の提供を目指していると語る。膨大な商品データとユーザーの行動データを掛け合わせることで、一人ひとりに最適な商品を提案する。

楽天グループ 執行役員 市場編成部 ジェネラルマネージャー 高間真里氏

対話型で買い物を支援する「AIコンシェルジュ」

 ユーザー向けの新たな機能として、対話型で商品を探せる「AIコンシェルジュ」の提供を2025年12月から開始している。現在も毎週のように細かいアップデートを重ねているという。

 「AIコンシェルジュ」は、自然言語で要望を入力すると、用途や条件に合った商品を提案する。従来型の検索と比較して購入決定までの時間を40%短縮し、平均注文金額も向上しているという。

 さらに新機能として、最大4つの商品を同時に比較する機能も備え、内容量やレビュースコアなどを一覧で確認できる。

 また、新たに要約機能も追加。商品ページに遷移しなくても、特徴や価格、獲得予定ポイントなどが要約して表示されるため、購入の意思決定を円滑にする。

 加えて、ユーザーの興味関心に基づき、大型商業施設を歩いているかのような偶発的な発見を提供する「ディスカバリーレコメンデーション」も展開。買い物のエンターテインメント性を高めている。

店舗運営を変える「Rakuten AI for RMS」

 出店店舗向けには、運営システムにAIを組み込んだ「Rakuten AI for RMS」を提供する。商品説明文の作成や画像背景の加工、問い合わせへの回答作成などをAIが支援する。コマース&マーケティングテクノロジー統括部 ジェネラルマネージャーの山川祐介氏によると、現在約半数の出店店舗がAI機能を活用しているという。

楽天グループ コマース&マーケティングテクノロジー統括部 ジェネラルマネージャー 山川祐介氏

 4月30日にはテキストベースで分析を依頼できる「データ分析エージェント」の提供を開始し、導入店舗の72.9%が同機能を利用している。

 説明会に登壇した出店店舗「プチギフトmomo-fuku」の木澤典子氏は、「問い合わせ対応にかかる時間が月間67時間から20時間に削減できた」と語る。商品説明文の作成もAIが行うことで、登録商品数を1000点から1万点規模へスピーディーに拡大できたという。

 さらに木澤氏は、「Rakuten AI」ならではの強みとして、商品画像を変質させない画像加工の精度を挙げている。ほかのAIツールで背景画像の加工を行うと、タオルの水玉の数が増えたりストライプの幅が変わったりと、商品まで加工してしまう課題があったという。

プチギフトmomo-fuku(株式会社百福)専務 木澤典子氏

 しかし、「Rakuten AI」は現物の特徴を正確に把握し、商品自体を変質させずに加工できるため、安心して利用できると高く評価した。これに対し山川氏も、この「商品が変わらないこと」には非常に力を入れていると応じた。

 レビューへの返信機能の有用性についても触れた。単なる定型文を作成するのではなく、対象となる商品ページの情報をAIが自動で読み込む点が特徴。スタッフの表現がワンパターンになりがちな場面でも、豊富な語彙力を用いてコメントに特化した詳細な返信をワンクリックで作成できる点が重宝されているという。

今後の展開とAI活用の目標

 楽天は今後、これらのAI機能をさらに進化させ、ユーザーの細かなニーズに応えるパーソナライズを強化していく方針。

 ユーザー向けには、5万以上の出店店舗が持つ接客データを取り入れ、店舗の知見を活かした対話型接客へと進化させる。店舗向けには、業務効率化によって生まれた時間をより付加価値の高い業務に充てられるよう、リアルとオンラインを含めた成功事例の共有や機能拡充を継続する考えを示した。