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“ユーザーを理解する”スマホからショッピングまで、ソフトバンクがAIプロダクトを多数発表

 ソフトバンクは17日、AIを活用した新サービスやプロダクトを発表した。発表会では、米Brain Technologiesのジェリー・ユエ(Jerry Yue)CEOが登壇し、AIによって「アプリの壁」が消失する新たなモバイル体験のビジョンを説明した。

Brain Technologies CEO ジェリー・ユエ氏と、ソフトバンク コンシューマ事業統括 プロダクト本部 本部長 足立泰明氏

「ユーザーがCPUだった」既存スマホからの脱却を掲げるユエ氏

 ユエ氏は、2007年のiPhone登場以来、スマートフォンのインターフェースは「ツール」としての枠組みに留まっており、本質的な変化が起きていないと指摘。現在のモバイル環境では、情報は個々のアプリに閉じ込められており、ユーザー自身が複数のアプリを跨いで情報を繋ぎ合わせる「CPU」のような役割を担わされていると表す。

Brain Technologies CEO ジェリー・ユエ氏

 ユエ氏は、新時代のテクノロジーは「道具の延長」ではなく「マインドの拡張」であるべきだと主張。同社が提唱する「Natural AI」は、人間が「夕食を予約したい」と考えたとき、バックグラウンドにある地図や予約アプリの存在を意識させることなく、AIがユーザーの意図を汲み取って直接アクションを完結させる。

今夜のディナーのためにタクシーアプリや地図アプリ、支払いアプリを行き来する必要があり、まるでCPUだと主張

 また、ユエ氏は「人間工学に基づいた心の動き」をソフトウェアに反映させることの重要性を説明。たとえば、集中している時に不要な通知で作業を中断させないなど、AIがユーザーを真に理解することで、人間の意識を守り、より自然な形で生活に溶け込む体験を提供するという。

 今回発表された「Natural AI Phone」は「完成品として出荷されるのではなく、ソフトウェアが目覚めつつある状態で出荷され、ユーザーが誰であるかにもとづいて変化し、ユーザーを本当に理解するデバイスになっていく」ものだと定義した。

AIスマホ「Natural AI Phone」と手軽なAI体験サービス

 Brain Technologiesが開発した「Natural AI Phone」は、独自のAIエージェントをOSレベルで統合したスマートフォン。本体側面のAIボタンから「Natural AI」を起動でき、アプリを切り替えることなく画面内の情報にもとづいた予約やカレンダー登録をAIが代行する。発売日は4月24日で、ソフトバンクが国内で1年間独占販売を行う。

 そのほかAIサービスも同時発表された。提供が開始された「だれでもAI」は、生成AIの使い方が分からない層をターゲットとした無料サービス。難しいプロンプトを入力する必要はなく、メニューからやりたいことを選んでボタンを押すだけで、画像生成などの最新AI機能を体験できる。

 エンターテインメント領域では、LDH JAPANと提携した「AIダンスラボ」を5月28日から提供する。スマートフォンのカメラを通じてAIがユーザーのダンスを解析し、LDHのノウハウにもとづく個別のコーチングやアドバイスを行う、AIスマートコーチとしての役割を担う。

ロック画面で完結する「Glance」のAIショッピング機能

 また、発表会ではロックスクリーンメディア「Glance」のアップデートも展示。「Glance」は、ソフトバンクから発売されているAndroidスマートフォンなどに搭載されており、ロックを解除することなく最新のニュースや動画を閲覧できる。

 新たに実装された「AIショッピングエージェント」機能では、ユーザーが自身の顔写真を登録するだけで、AIがその人に最適なファッションコーディネートを提案する。提案されたアイテムは、ロック画面上の操作だけでそのまま購入することができる。

 ソフトバンクの足立氏によると、今後はファッションだけでなく、旅行やペットといったカテゴリーの追加も予定されており、AIがユーザーの好みを学習することで、よりパーソナライズされた提案が行われるようになるという。

ソフトバンク コンシューマ事業統括 プロダクト本部 本部長 足立泰明氏
Glanceはロック画面からアクセス
気になった服を見つけたら
顔写真を合成して試着できる
体形などは後から調節可能
そのまま販売サイトに行くこともできる