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日・韓・比の事業者が6G新協定「Tokyo Accord」、GSMAは日本向けDX報告書を発表
2026年4月15日 10:00
GSMAは、イベント「Digital Nation Summit Tokyo」で、日本のデジタルトランスフォーメーションに関する最新の報告書を発表した。また、アジア太平洋地域の通信事業者などが、6G時代の形成に向けた新協定「Tokyo Accord」に署名した。
アジアの複数事業者が6Gに向け協定を締結
新協定「Tokyo Accord」には、NTTドコモ、KDDI、楽天モバイル、ソフトバンクの4社やアジア太平洋地域の3つの6Gアライアンスのほか、フィリピンの大手通信会社であるグローブ・テレコム、韓国の大手通信会社であるLG U+が署名した。オープンで相互運用性があり、信頼性の高いデジタルエコシステムの推進に向けて、地域的およびグローバルな連携を広げていく方針が示されている。
現在の日本のベンチャーキャピタル投資額は国内総生産比で米国の約20%にとどまっており、高い研究開発能力がスタートアップ投資に十分結びついていないという課題がある。この協定は、持続可能で包摂的な未来に向けて、新技術を実用的なイノベーションへと転換する大きな貢献となることが期待される。
同時に発表された報告書「The Digital Nations 2026: Accelerating the digital leap in Japan」では、日本が次世代通信や先端技術の分野で世界をリードしている一方で、根強い構造的課題が生産性の向上などを制限していると指摘している。
そのうえで、政府および産業界が連携して早急に取り組むべき分野として3点が挙げられた。1点目は、高度な機能の実現や6G進化の基盤構築に向けた5Gスタンドアローン(SA)の全国展開の加速。2点目は、インターネット利用率が低い傾向にある高齢者層のデジタル・デバイドの解消。3点目は、2025年に被害額が3241億円に達した詐欺や不正に対する安全対策など、デジタル・トラストの強化となっている。
成長妨げる課題解決が急務
GSMAが策定した「デジタル・ネーションズ・インデックス」では、日本は「データガバナンス」の項目で調査対象国中唯一となる100点満点を獲得し、世界トップの評価を受けた。一方で、国内総生産(GDP)比で地域最高レベルの研究開発(R&D)投資を行っているにもかかわらず、その技術を経済的インパクトのある「イノベーション」へと転換する領域のスコアは26点にとどまっている。
この結果は、日本の高い技術力を実際の産業競争力へ結びつけるための構造的な課題が依然として残っていることを示している。5G SA(Stand Alone)の展開加速は、こうした課題を克服し、イノベーションを社会実装するための具体的なステップとして重要視されている。5G SAの導入は単なる通信の高度化にとどまらず、「API」(オープンゲートウェイ)やプライベートネットワークの潜在的な価値を最大限に引き出すための鍵とされる。
5G SAの導入で、開発者や企業が通信ネットワークの機能をより簡単に活用できるようになり、日本経済と産業全体の本格的なデジタルトランスフォーメーション(DX)を後押しすることが期待されている。
さらに、デジタルの恩恵を社会全体に行き渡らせる上で高齢者のデジタル・デバイドの解消とデジタル・トラストの強化もまた、急務という。詐欺被害の拡大は深刻さを増しており、報告書では2025年の被害額が3241億円(約21億ドル)に達したと指摘されている。
しかし、近親者への迷惑や恥などから、詐欺被害の約90%は未報告ともされており、実際の被害規模はその10倍に上る可能性もある。未報告の被害がもたらす深刻な影響を防ぎ、誰もが安心して利用できるデジタル経済を構築するためにも、国境や業界の枠を超えた安全対策の強化が求められている。


