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iPhoneのeSIMクイック転送がMVNOで使えない――IIJ谷脇社長「キャリアには働きかけている」

 IIJ(インターネットイニシアティブ)の谷脇康彦社長は、7日、決算説明会の席上で、大手携帯電話会社に対して、iPhoneやAndroidの「eSIMクイック転送」の解放を求めていることを明らかにした。

 iPhoneやAndroidでは、機種変更する際、アプリなどを移し替える流れのなかで、eSIMも一緒に転送できる「eSIMクイック転送」という機能が用意されている。iPhoneでは2022年秋に登場した機能となる。

 「eSIMクイック転送」は一見すると、その場で、古いスマホから新しいスマホへeSIMが転送されているように見える。だが、仕組みとしては、いったん通信事業者の設備を経由している。

 国内でeSIMクイック転送を利用できるのは、大手携帯電話会社が中心となっており、大手の通信設備を借り受けるMVNOでは、大手系列のBIGLOBEとJCOMと、KDDI系列に限られる。iPhoneでは2022年に登場し、3年を経過した機能にも関わらず、ほとんどのMVNOでは利用できず、不公平とも言える状況だ。

 7日の説明会で、谷脇氏は「IIJとしてはeSIMに長年、丁寧に取り組んできた。その効果もあってかiPhone 17でIIJmioを選ばれる方も多い」と語る。

 ユーザーにとっては、地味ながら、機種変更の手順がずっと楽になる機能。とはいえ、キャリア(MNO)側が応じなければMVNOでは利用できない。谷脇氏は「私どもだけでは、どうしようもないところがあり、キャリアに機能を解放してもらう必要がある。今働きかけている。なるべく早く実現させたい」と意欲を見せた。