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IIJとソニーセミコンがスマート農業の合弁会社を設立へ、IoTで効率的な農地管理を目指す

 インターネットイニシアティブ(IIJ)とソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)は7日、スマート農業向けのソリューションを提供する合弁会社の設立に合意したと発表した。スマート農業向けに土壌水分センサーや灌水ナビゲーションサービスを提供すべく、2026年4月から営業を開始する。

 国内の農業については、年々深刻化する異常気象による生育不良に対して、従来の栽培ノウハウによらない新たな手法の導入が急務となっているほか、農業従事者の高齢化や人手不足で農作業の省力化や効率化が課題となっている。

 IIJでは、自社開発の密管理センサーやLPWAなどの無線通信技術によるスマート農業事業に取り組んでいる。SSSでも、高精度な土壌水分センサーやAIによるデータ解析技術の開発、農業分野への応用研究に取り組んできており、合弁会社ではこれらの技術、知見を融合したサービスの開発と提供を推進する。

 7日に開催されたIIJの決算説明会で代表取締役社長執行役員の谷脇康彦氏は、「SSSはRF信号を使って土の中の水の度合いをデータを取る優れた技術を持っているが、そのデータをどうやって運ぶか、パートナーを探していた。IIJのネットワーク技術をかけ合わせればもっといいものができるのではないか」と、SSSのこれまでの取り組みを評価し、合弁会社設立に至ったと説明した。

IIJ代表取締役社長執行役員の谷脇康彦氏

 合弁会社では、施設栽培農家や露地栽培農家向けに、高精度水分センサーの開発、販売のほか、灌水ナビゲーションサービスを提供する。具体的には、土壌水分センサーなどから得られるデータを分析し、最適な灌水量やタイミングをユーザーに通知する。経験則や慣行などによらない効果的な農地管理により、農作物の収量増や品質向上が期待できるとしている。

 社名は未定で、IIJが85%、SSSが11%出資する。