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短文SNS「Threads」2周年、Instagramと別路線を歩む新たなプラットフォームに

 Metaの短文投稿SNS「Threads」(スレッズ)が、サービス開始から2周年を迎えた。アジア太平洋地域での人気が高く、ユーザー数が3億5000万を上回っている。その現状や今後の新機能の実装などをMetaが説明した。

3.5億アカウントを突破したThreads

 Threadsは2023年にメタが発表したSNS。サービス開始後、5日間で登録アカウント1億人を突破したことなどが話題となり、当時のTwitter(現:X)の対抗馬として注目されていた。

 その後もユーザー数は順調に伸び、3月時点で3億5000万人(月間アクティブアカウント数)を超えた。増加率としては1年前の倍以上だという。アジア太平洋地域での利用が多く、Instagramの人気が高かった日本とは親和性が高く、Metaとしても重要な市場として位置づけている。

Meta 山谷道裕氏

 Threadsを利用するには、Instagramのアカウントが必要など、Instagramの延長線上にあるサービスという見方をされることが多い。しかし、Meta グローバルパートナーシップスの山谷道裕氏は「独立したプラットフォームとして成長しつつある」と話す。同氏によれば、Threadsユーザーの1/3がThreadsとInstagramで、それぞれ異なるユーザーをフォローしているという。

 クリエイター側も、それぞれにアカウントを持ちながら両プラットフォームでそれぞれ異なる内容を発信することもあるという。「同じユーザーでも2つのプラットフォームを使い分け、Threadsならではの楽しみ方を見つけている」と現状を分析した。今後、独自のブランディングとして、リポスト時の「マークアップ」機能の黄色いハイライトをイメージしたロゴをアプリの各所に入れていく。

 全体の閲覧数のうち50%が返信に費やされており「会話のやり取りが(Threadsの発展に)重要な役割を果たしている」と山谷氏。一方的な発言の場ではなく、投稿に対して返信があり、会話のキャッチボールが繰り広げられる場所に成長したと話す。日本においては、音楽ライブの当落発表時や人気アーティストの出演情報などが話題となりやすく、いわゆる「推し活」でファン同士が交流する場所にもなっている。

独自機能の提供もさらに展開

 シンプルな機能で始まったThreadsだが、独自機能の開発も進めている。直近では、テレビ番組や映画などに関する内容の投稿で、ネタバレを防ぐために文字や画像をぼかす機能が導入された。

 ほかにも、特定のキーワードや絵文字を指定すれば、それらを含む投稿やコメントが非表示になる「カスタムフィルター」は、これまでThreadsとInstagramで共通だったが、それぞれで独立して調整できるようになった。特にThreadsでは、エンタメなどに関連する話題が多いため、前述のぼかし機能同様に、ネタバレ防止機能としても利用できる。

 山谷氏は今後の展望として「パーソナライゼーション」「コミュニティ」「クリエイター」の3つの領域に注力して、新機能の開発を進める考えを示す。検索機能やランキングなどを改善、自分で表示できるコンテンツを調整できる「カスタムフィード」のような機能がイメージされている。また、コミュニティ形成に貢献しているユーザーへのバッジの付与やクリエイター向けのツールも強化する。

 必ずしもすべての想定する機能を提供できるわけではないとしつつも、山谷氏は「ユーザーにとって安心して使ってもらえて、良い体験ができることを目指す。今後もThreadsの成長に注目してほしい」と話した。

Threadsユーザーのイラストレーターうのき氏(中央)、インフルエンサーさゆぴん氏(右から2人目)とバヤコ氏(右)ら3人がThreadsの魅力について語った