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モトローラ、新スマホ2機種発表 “25年度2倍成長”に向けて製品・販路拡大目指す

 モトローラ・モビリティ・ジャパンは23日、新型Androidスマートフォン「motorola edge 60 pro」と「moto g66j 5G」の2機種を発表した。7月以降、順次発売される。

 発表の場には、今月6月にモトローラ・モビリティ・ジャパンの社長に就任した北原秀文氏が登壇。グローバルおよび日本でのモトローラの現状と今後に向けた戦略を説明した。

モトローラ・モビリティ・ジャパン 代表取締役社長 北原秀文氏

10万円以下のスキマを狙うedge 60 pro

 発表された製品は「motorola edge 60 pro」と「moto g66j 5G」の2機種。ソフトバンクとワイモバイル向けに「motorola edge 60s pro」と「moto g66y 5G」も投入されるため、SIMフリーとキャリアモデルで合計4バリエーションとなる。

motorola edge 60 pro
moto g66j 5G

 edge 60 proは高性能なチップセット「Dimensity 8350 Extreme」を搭載する上位モデル。同チップセットはFCNTを含むレノボグループのみに供給されるという。高い性能を持ちながら、7万9800円という比較的安い価格設定。

 その狙いについて、モトローラ・モビリティ・ジャパン テクニカルサポートグループ 開発事業部長の伊藤正史氏は「円安や米国の経済政策など、世界経済が不透明。高い端末はどんどん値上がりしているが10万円前後からそれ以下の端末はラインアップが手薄」と認識を示す。そのうえで「価格は(前モデルから)据え置きとすることで、ユーザーの利益になるのではないかということで8万円前後の価格を目指した」と狙いを明かした。

 motorola edge 60 proは7月4日に、ソフトバンク版のmotorola edge 60s proは7月11日に発売される。また、moto g66j 5Gとワイモバイル版のmoto g66y 5Gは7月10日に発売される予定。

堅調な成長を続けるモトローラ

 グローバル市場におけるモトローラは6四半期連続のプラス成長。2024年度の収益は前年度比27%増益、出荷台数ベースでも同じく19%増だった。特にハイエンドモデルの「edge」シリーズや「razr」シリーズは31%の収益を生んでおり、出荷台数ベースでは2倍に増加したという。

 北原氏は「2025年第1四半期にフリップ型折りたたみスマートフォン市場でシェア1位を獲得した」(IDC調べ)とその好調ぶりを示す。2024年、日本を含むアジア太平洋地域は前年度比181%の3桁成長を達成、出荷台数は同じく132%増だった。ほかに南米でもシェア第2位と勢いづいている様子が語られた。

 グローバルでの戦略として、ベトナムやインドネシア、タイなど新市場へ参入する。また、AIへの投資とあわせて「イヤホンでAIと対話する」など、AI普及には周辺機器も重要と、イヤホンやスマートウォッチなどの展開も進めてエコシステムの構築を目指す。

25年度2倍成長への意気込み

 日本では「2025年度に前年比2倍の成長を目指す」と北原氏。「前任のプランシャス・マニがもう発表していること。なんとしてでもやり遂げる」と意気込む。

 2024年にブランドアンバサダーを務めたタレントの目黒蓮が続投。Z世代を中心とした若年層にもモトローラのブランドを根付かせる。日本でも、AI時代の到来にあわせてイヤホンなどの周辺機器も展開するという。

同 テクニカルサポートグループ 開発事業部長 伊藤正史氏
同 マーケティング部長 清水幹氏

 2倍成長の達成に向けて、モトローラ・モビリティ・ジャパン 伊藤氏は「今日発表した新製品、今秋以降の新製品をあわせて前年比で2倍成長を目標とする」と説明。具体的な名前はまだ明かせないとしつつも、販売チャネルの拡大も継続するとともに「今、市場に必要とされるものを必要なタイミングで、必要なチャネルを通じて展開する」と道筋を示した。