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ドコモがアクティブアンテナの屋外実験、エリアは従来比1.7倍に

 NTTドコモは、今後導入を予定している「アクティブアンテナ」を用いた屋外実験を日本で初めて実施し、従来と比較して電気的損失を低減することに成功したと発表した。電気的損失が低減されたことで、基地局のカバーエリアが拡大する。

アクティブアンテナ

 今回の屋外実験では、開発を進めているアクティブアンテナと基地局を実際に屋外で動作させ、従来型の基地局と比較して、電気的損失を4dB低減できることが確認された。これは、地上高40mであれば、基地局のカバーエリアが1.7倍に拡大することに相当するという。

 アクティブアンテナの開発や、アンテナと基地局との接続実験は、2013年2月に発表されており、電気的損失を低減しエリア拡大が実現すると案内されていた。今回の屋外実験で、実際に電気的損失の低減が確認された。

 ドコモが導入を予定しているアクティブアンテナは、LTE-Advancedや5G世代のネットワークも見据えて開発されているもの。複数搭載されるアンテナ素子それぞれに無線装置を搭載することで、一部が故障してもサービスを継続できるほか、きめ細やかな制御が可能になるとしている。装置全体の小型化により設置場所の自由度も高められている。MIMOとの相性もよいことから、LTE-Advancedや5G世代のネットワーク構築の効率化も実現できるとする。

 アクティブアンテナはこうした特徴から、郊外におけるネットワークの構築に利用される予定で、災害発生時にも被災状況に応じたネットワーク対策が可能になるとしている。ドコモでは今後も検証を継続し、高度化したLTE基地局を実現する方針。

太田 亮三