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ドコモとLINEが協力、「らくらくスマホ」対応など

 NTTドコモとLINEは、スマートフォン向けアプリ「LINE」の利便性やサービスの向上を目的として、5月14日付けで協業することに合意した。

 両社の協業により、Google Play非対応の「らくらくスマートフォン」でもLINEが使えるよう新アプリの開発を進める。このアプリは10月~12月に提供される予定。

 またLINEのユーザープロフィール画面には、ドコモ専用の音声通話ボタンが配置される。これは、ワンタッチでドコモの音声回線で通話できるようにするボタンで、7月~9月に導入される。ドコモ専用の音声通話ボタンは、LINEアプリ内で「友だち」で、さらにスマートフォンアプリ内のアドレス帳(ドコモ標準のアドレス帳含む)に電話番号を登録している場合に表示される。

 このボタンからの通話は、ドコモの音声回線での品質になる一方、通話料はかかる。ドコモでは、Xi向けの音声通話定額オプションサービスがLINEから利用できる、としている。また「繁華街の駅前など、LINEの通常のパケット通信による通話では利用しづらいような場所でも、ドコモ回線ならではの品質で綺麗な音質で通話できる。無料通話と使い分けていただければいいのではないか。らくらくスマートフォンへの対応でユーザーが拡大すること、また音声通話の利用頻度向上も期待できる。ドコモとしては販売力の向上も期待できる」と説明する。

 ドコモのホームアプリ「Pallet UI」では、アプリ一覧の「おすすめタブ」にLINEアプリが掲載される。

 このほか、これまで両社が進めてきたLINEのネットワーク負荷低減に向けたアプリの仕様改善、システム改善に加えて、より緊密に協力して快適な利用環境の構築を目指す。

 「スマートフォン for ジュニア」については、ドコモとLINEで検討は進めているとのことだが、何も決まっていない。

18歳未満ユーザーのID検索制限

 挨拶に立ったLINE代表取締役社長の森川亮氏は、LINEが世界で1億5000万人、国内でも4500万人を突破したことに触れた後、より一層、安心かつ安全に利用できるようドコモと提携したと話す。

 先述した4つの取り組みに加えて、LINE側では未成年ユーザーの検索に関する機能を追加する。具体的には18歳未満のユーザーのIDを検索できないようにするもの。同等の機能は、既にau版では導入されている。

 今後については、プロモーションなどでも連携することが明らかにされた。

戦略的な提携

 LINEとの提携について、「多くの人が使っている。もちろんドコモ社員も」と笑うドコモ取締役社長の加藤氏は、今回の取り組みを「戦略的な提携」と位置付ける。これまで「LINE」にはトラフィック(通信量)を増やす、つまりネットワークに負荷をかけるサービスとしての側面もあったが、既にドコモではLINE側と仕様について意見交換をしてきたという。

 人気のメッセージングサービスである「LINE」からのノウハウの吸収についても「ないとは言えません。特定の機能が人気として評価されていれば、いろいろと協業していくべきところが出てくるかもしれない」とした。なお、開発が遅延している「ドコモメール」とLINEとの協業は関連がないとのこと。

関口 聖