ニュース

au版iPhone/iPadの通信障害、徐々に改善も復旧目途立たず

 auのiPhoneやiPadでメールが繋がらない。――17日未明から発生しているEメールの送受信関連のトラブルが未だ解消していないKDDI。18日12時の発表でも、復旧作業は続けているが完全復旧の目途が立っていないとする。

 メールの送受信に関する障害は、4月17日5時半から発生し、現在も継続している。メールだけでなく、カレンダーや連絡先、リマインダーの機能に影響が出ている。全く繋がらないのではなく、繋がりにくい状態が続いている状況という。通話やネット接続には問題ない。

 対象となるモデルはiPhone 5とiPhone 4S、そして3GやLTEに対応したセルラーモデルのiPadやiPad mini。これらの端末でメールのリアルタイム受信を行っているユーザーに影響が出ている。対象エリアは全国、17日15時の時点では影響数は最大127万人とされた。

 メール障害の原因はメールサーバーへのアクセスが集中したことによるもの。ただし、アクセス集中が起こった要因については引き続き調査中としている。iPhoneなどの対象端末において、端末とメールサーバーの同期処理が行われ、この処理が高負荷な状態になっているという。17日の時点では、メールなどの利用遅延の原因が究明できず、根本的な手立てが打てなかった。

 なおKDDIでは、障害について「徐々に改善に向かっている」としている。18日4時半、利用者が少なくなったところで、接続数などをコントロールして設備側の対応を進めたためとのこと。接続処理で応答が返せない場合に同期を繰り返して、これが負荷を上げてさらに繋がりくくなる。こうした事態を防ぎ、メールが全く使えなくならないように進めているという。

 アクセス集中ならば、設備を増強すればいいのではないか。しかし、KDDIでは単に設備増強で済むものではないとする。メールサーバーのメッセージを担保しつつ、収容されているユーザーを移すことはリスクがあるという。KDDIでは、現在進めている復旧作業に伴い、エラーメッセージが表示されることがあり、その場合はしばらく待つよう案内している。

 なお、auのiPhoneやiPadを巡っては、4月16日にも通信障害を引き起こしている。こちらはメールサーバーの故障としており、これにより現在続いている障害と同様のエラーが発生していた。

 障害は16日13時半に復旧報が出た。しかし、設備的には復旧しても、その後は長い間、滞留していたメールの処理が続く。17日3時15分にこうしたメールの処理が一段落したのもつかの間、2時間15分後には再び障害が発生したことになる。

 スマートフォンに関する通信障害が相次ぐKDDIだが、今年の年末年始にも大規模な障害を引き起こしている。1月の説明会では、スマートフォンについては早めに対処する方法を考えるとしていた。障害の内容が異なるとはいえ、3カ月後には再び大規模な事故を起こしたことになる。なお、2012年2月には、前年から続くさまざまな通信障害を受け、総務省はKDDIに対して改善を求める行政指導を行っている。

津田 啓夢