KDDI、5件の重大事故で再発防止策を公表


 KDDIは、2011年4月~2012年2月にかけて発生した5件の重大事故に対し、再発防止策や今後の取り組みをまとめ、総務省に報告した。

 同社のネットワークでは、2011年4月30日、11月2日、2012年1月25日、2月9日、2月11日と、比較的短期間に合計5件の「重大な事故」に該当する大規模な通信障害が発生した。これを受けて総務省はKDDIに対し、対策を実施するとともに実施結果を報告するよう指導していた。加えて、総務省が開催した携帯電話通信障害対策連絡会においても、通信障害の再発防止に向けた総点検の実施と、結果の報告が求められていた。

 KDDIでは、社長を委員長とする「調査委員会」を設置し総点検と対策を実施。5件の事故それぞれについて、原因を明らかにした上で、筐体の交換や機能の追加、確認手順の追加、復旧手順の確立、システム改修、ソフトウェア改修、定期点検などの、事故原因に合わせた具体的な対策の完了を報告している。

 今後の取り組みについては、設備を改めて点検・確認することや、品質管理サイクルの維持などのほか、予備設備や監視体制として冗長機能に関連した見直しや設備の拡大、点検を行う。事故の抑止と事故発生時の影響を抑えることを目的に「特別通信対策室」「電力インフラ対策室」を新設し、サービス復旧手順書の点検と整備も実施した。また、過負荷試験の実施状況を点検するとともに、高負荷時でも重大な問題が無いことを確認。検証環境の充実も図っていく。

 ユーザーに対しては、情報提供の流れを見直し、社内連絡体制の強化や、故障情報をソーシャルメディアを活用して公表するといった取り組みを4月より実施する。

 携帯電話通信障害対策連絡会への報告では、上記の内容に加えて、ソフトウェア品質の点検や、電源設備の点検、アカウント管理システムなど情報セキュリティ対策の点検、不正アクセス・DDoS対策、マルウェア感染対策の実施と点検などを報告している。

 




(太田 亮三)

2012/3/30 17:27