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IOWN APNでモバイルフロントホールの動的経路変更、NTT・ノキア・アンリツが実証

 NTT、ノキア、アンリツは、IOWNオールフォトニクス・ネットワーク(APN)を適用することで、モバイルフロントホールにおいて動的な経路変更が可能であることを実証した。この成功は世界初としている。

 モバイルフロントホールは、5G RAN基地局における、アンテナ側装置(Radio Unit、RU)と制御側装置(Distributed Unit、DU)のあいだの通信路を指す。

 現状では、RUとDU間を1対1で固定的に接続する形態が主流となっている。しかし、RUが接続するDUを動的に変更できるようになれば、モバイルトラフィック量が減少する時間帯にDUの稼働を減らし、使用電力を削減することができる。また、RUとDU間の経路に障害が発生した際、迅速に運用可能なDU拠点へと切り替えることができる。

 今回の実証実験では、30kmのモバイルフロントホールが2つ設定され、あいだにIOWN APNが適用された。そして、ユーザートラフィックが流れている状態で、DUにおけるRU収容の設定変更と、APN装置の光パス切り替え設定が行われ、動的経路変更にかかる時間、通信に対する影響、切り替えた後の通信品質が確認された。

 結果、動的経路変更にかかる時間は8分以内であり、変更経路以外でユーザートラフィックに影響がないこと、切り替わった後でもユーザートラフィックが正常に流れることが明らかになった。

 今後は、実際の基地局の構成やユーザー数、トラフィックを模し、トラフィック予測による自動経路変更判断を組み合わせていくという。そして、電力削減効果の実証実験や、動的経路変更にかかる時間短縮に取り組むとしている。