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MVNO回線契約数が微増、IoT需要を追い風に MM総研調査
2024年12月19日 06:00
MM総研は、2024年9月末時点での国内MVNO市場の調査結果を発表した。独自サービス型SIMの回線契約数は約1326万回線で前年同月比で0.9%増となった。IoT向け用途や対面販売を重視する個人向けMVNOの伸長により微増となったという。
MVNO市場は横ばいを維持、サブブランド比率は拡大
携帯電話契約数に占める独自サービス型SIMのシェアは6.0%となり、前年から横ばいで推移している。IIJやオプテージは、ネットワークカメラなど法人向けのIoT用途が好調で回線数を伸ばした。2023年12月に施行された電気通信事業法の省令改正により、柔軟なキャンペーンの実施や長期契約者向け特典の拡充が可能となり、個人顧客の解約抑止につながっている。
一方、NTTドコモが2023年7月に「OCN モバイル ONE」の新規受付を停止した結果、既存ユーザーは、低価格プラン「irumo」や他社サービスへ流出したと分析。
MNOのサブブランドであるワイモバイル(ソフトバンク)や、UQ mobile(KDDI)は、メインブランドから移行するユーザーを獲得し、両ブランドを合算したシェアは携帯電話契約数全体の9.9%に拡大。前年同期比で1.2ポイントの増加となった。
また、NTTドコモの「ahamo」、KDDIの「povo」、ソフトバンクの「LINEMO」といったオンライン専用プランのシェアもあわせて4%強にまで拡大したという。これらのサービスの好調が独自サービス型SIMの対抗軸となり、MVNO市場は横ばいを維持する結果となったとしている。
IIJはIoT向けが好調でシェアを拡大
2024年9月末時点での独自サービス型SIM市場の事業者シェア1位は「IIJmio」などを提供するIIJ。2位はNTTドコモ(OCN モバイル ONE)。3位は「mineo」を提供するオプテージ、4位は「J:COM MOBILE」を提供するJCOM、5位はイオンモバイルを提供するイオンリテールとなった。
シェア1位のIIJはネットワークカメラやGPSデバイス、農業用水管理プラットフォームなどの法人向けのIoT用途が好調で、回線数を1年間で60万以上伸ばした。
また、4位に上昇したJCOMは、ケーブルテレビ利用者への訪問販売での獲得が中心で、対面によるサポートが受けられる点が利用者に好評で回線数を伸ばしたと分析している。