ニュース

「楽天市場」と「ラクマ」の連携強化、クロスユース率6%→30%を目指す戦略とは

 昨今の物価高の影響を受け、リユース市場が活況を呈している。フリマアプリ「楽天ラクマ」を手がける楽天グループでは、多くのユーザーを抱えるECサイト「楽天市場」との連携を強化し、送客などで相乗効果をねらう。

 「楽天ラクマ」の現状や、将来的に目指す数字とは――。同社 コマース&マーケティングカンパニー ラクマ事業部 ジェネラルマネージャーの長谷川健一朗氏と、執行役員 市場編成部 ジェネラルマネージャーの髙間真里氏が、事業戦略を紹介した。

長谷川氏
髙間氏

 冒頭の通り、楽天グループは「楽天ラクマ」と「楽天市場」の連携強化に取り組んでいる。

 これは、楽天のエコシステム(経済圏)での買い物体験向上を目的とした戦略「サーキュレーション・ストラテジー」の一環。モノを買ってそれを売り、また次のモノを買う……消費者によるサーキュレーション(循環)を、楽天のサービス群で促進していくねらいがある。

 「楽天ラクマ」は、2012年登場の「フリル」と、2014年登場の「ラクマ」を統合するかたちで、2018年に生まれたサービス。2022年にはリブランディングを実施し、ロゴを刷新した。

 直近では8月1日に手数料率が改定され、ヘビーユーザーほど手数料が低くなるしくみになった。これについて長谷川氏は「ライトユーザーの方は、手数料をあまり気にしていない。手数料率の改定後、出品の数は増えた。たくさん出品する方に多く利用いただいている」と語る。

 「楽天ラクマ」の利用者の年齢層は10代~30代が6割以上を占め、特に30代~40代が多い「楽天市場」とは「相互補完できる関係にある」(長谷川氏)。

 「楽天市場」で購入した商品を簡単に出品できる機能などが「楽天ラクマ」に搭載されており、キャンペーンやCMといったマーケティング施策とあわせて、クロスユース(併用利用)率の向上を図る。当面の目標として、6%から30%に引き上げることを目指す。

 9月4日からポイントアップ期間に入る「楽天市場」の「楽天スーパーSALE」では「楽天ラクマ」での買い物も対象となり、条件を満たすと楽天ポイントの付与率が上がるしくみ。

 髙間氏は「楽天市場」のマーケティング戦略に触れ、「流通総額を上げるにあたって、『購入者数の増加』と『1人あたりの購入単価アップ』の掛け算でマーケティングをしている」とコメント。

 同氏は「今回のサーキュレーション・ストラテジーによる、楽天ラクマから楽天市場への貢献にも期待している」と語った。