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国内発行数1億枚の「ビザのタッチ決済」対応カード、その先に目指す世界とは

 ビザ・ワールドワイド・ジャパンは、日本におけるVisaのタッチ決済に対応するカードの発行枚数が、2023年3月末で1億枚を達成したと発表した。

ビザ・ワールドワイド・ジャパン 寺尾氏

国内発行数1億枚を達成

 ビザ・ワールドワイド・ジャパン コンシューマーソリューションズ部長の寺尾林人氏は「タッチ決済は、消費者にも加盟店にとって大きなメリットあるソリューション。国際標準の機能で国内から海外、海外から国内でも同じく決済できる」とそのメリットを説明する。

 寺尾氏は、対応カードの発行数が1億枚を達成したことについて「人口比から考えても大きなマイルストンを達成できた」とその実績をアピールする。

 タッチ決済対応のカードは、2019年6月に発行数1000万枚を達成。4年弱でおよそ10倍へと大きく伸びており「短期間で大きな伸びを達成した」と寺尾氏は評価した。その背景には消費者や加盟店のニーズがあると説明。カード発行数は引き続き伸びると予測を示し、さらなる浸透を見せると見解を述べた。

 一方、店舗側が用意するタッチ決済対応端末の台数は、2023年3月末に180万台を超えた。コンビニでの利用動向としては、2件に1件の支払いがタッチ決済と高い比率を誇る。

 さらに直近1年で顕著な動向として、コンビニなどに代表される日常利用加盟店以外の家電量販店や公共交通機関などでも利用が増えているという。

女性の満足度がとくに高く

 ユーザーの満足度としては、全世代平均81%がタッチ決済に満足したと回答している。寺尾氏はこれについて「決済サービスは日々使うもの、一番身近でお金に関わるものなので満足度は難しいところがあるが、タッチ決済は非常に高い満足度」とコメント。

 属性別に見ると、20代女性が満足度でトップだった。寺尾氏はこの結果の背景を「利便性や簡単さ、もしくはコロナにおける清潔さ含めて支持が高いのかと思う」と推測した。

 コロナ禍で意識が変わったことの代表例としては「手洗いうがいの心がけ」が9割弱とトップ。しかし、それと同じくらいの比率で「カード決済時のやり取りを避けたい」という声があがっている。

 タッチ決済の今後について寺尾氏は、オンライン飲み会を例に取り、コロナ禍で出現したものの、その後あまり定着しなかったと指摘しつつ、キャッシュレス決済を利用したいという意向については、コロナ以降も継続的に続くと今後の動向を推察した。

タッチ決済が目指す世界は

 世界のビザの対面取引で、タッチ決済が占める割合は59%。特にオーストラリアは99%とその比率が高い。

 米国では34%と低い数値を示しているが、これはインフラ整備の関係によるものが大きい。米国でもその利用率は上昇傾向にあるという。

 グローバルの状況について寺尾氏は「日常的にタッチ決済使うのは当たり前の状況。ショッピングだけではなく移動にも使うなど、通常の行動になっている」と説明。「自国や旅行先でも、すべてカード1枚、モバイル端末ひとつで決済できるシームレスな体験を提供することが重要」として「いつでもどこでも受け入れられる決済手段を目指して、より生活が豊かになるように活動したい」目指す姿を語った。