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“位置情報を使うモンハン”「Monster Hunter Now」発表、ナイアンティックやカプコンの担当者が語ったこととは

 米ナイアンティック(Niantic)とカプコンが18日に発表したスマートフォン向けゲームアプリ「Monster Hunter Now」。位置情報を使いながらカプコンの人気ゲームタイトル「モンスターハンター」を楽しむ、新感覚のゲームとなっている。

 9月の提供開始に先立ち、招待制のベータテスト(クローズドベータテスト)が4月25日から始まる予定。

 本稿では、「Monster Hunter Now」の発表会における質疑応答の様子をお届けする。回答者は、ナイアンティックから創業者兼CEOのジョン・ハンケ(John Hanke)氏、ゲームディレクターの菅野千尋氏、エグゼクティブ・ディレクターの野村達雄氏。そしてカプコンからは、同社取締役 専務執行役員で「モンスターハンター」シリーズのプロデューサーを務める辻本良三氏らが質問に答えた。

「Monster Hunter Now」の位置づけなど

――今回のパートナーとしてカプコンを選んだ理由を教えてほしい。

ハンケ氏
 ひとつめの理由は、私の息子が「モンスターハンター」シリーズをやりすぎてニンテンドー3DSをほぼ壊しかけたことです(笑)。

 もうひとつの理由は、我々の優秀な社員の情熱を信じたこと。カプコンさんがいかに素晴らしいか、「モンスターハンター」が(ナイアンティックと)いかに相性がいいかということを、スタッフが熱弁してくれました。

ハンケ氏

――今回の「Monster Hunter Now」は、「モンスターハンター」シリーズにどのような影響を与えるのか。

辻本氏
 「モンスターハンター」シリーズは来年で20周年になりますが、「位置情報を使うかたちで遊んでみたい」という声はたくさんいただいていました。

 そういうゲームを作りたいという気持ちはあって、やるんだったらナイアンティックさんとやりたいとずっと思っていました。(協業の)お話をいただいてすぐ決めたのも、そういう気持ちがあったからです。

 ナイアンティックさんはAR分野での豊富な実績やノウハウがありますし、グローバルで展開していただける安心感もありました。

 「Monster Hunter Now」はもう少し早くリリースしたかったのですが、4年かかってしまいました。今まで「モンスターハンター」シリーズで遊んできてくださった方はもちろん、遊んだことがない方にも触れていただければと思っています。

辻本氏

――ナイアンティックとカプコンの役割分担はどうなっているのか。

野村氏
 開発については、カプコンさんと一緒にアイデアを練るところから、実際に(ゲームを)触ってフィードバックを出し合うところまで、かなり緊密に協力しています。

 カプコンさんは「モンスターハンター」シリーズを20年やっておられますので、そのノウハウを。そして我々は、位置情報を使ったゲームタイトルの独自ノウハウを持っていますので、それぞれの強みを合わせているといった感じです。

野村氏

ゲームの内容について

――「Monster Hunter Now」ならではのオリジナルモンスターは登場するのか。

辻本氏
 「Monster Hunter Now」リリースのタイミングでは、オリジナルモンスターはいません。これまでの「モンスターハンター」でおなじみのモンスターに触れていただきたい、という気持ちがあります。

 ただ、「Monster Hunter Now」は長く遊んでいただけるようなゲームにしたいと思っていますので、たとえば(オリジナルモンスターの)いいネタがあれば、将来的な可能性はゼロではありません。

――登場するモンスターの数を教えてほしい。

菅野氏
 具体的なモンスターの数は明言できませんが、これまでの「モンスターハンター」シリーズに出てきたいろいろなモンスターに出てきてほしいと思っています。

 「Monster Hunter Now」はアップデート型のコンテンツ。少しずつモンスターも増えていくと想定していますし、サービスが始まって何年か経ったときに、一番多くのモンスターと遊べる「モンスターハンター」になっているといいなと思います。

菅野氏

――「モンスターハンター」の原作には「古龍」のようなモンスターも登場するが、そういったモンスターを討伐する特別なモードはあるのか。

菅野氏
 僕も「古龍」は大好きなので、「どうやってかっこよく登場させようか」というのは考えています。

 まずは基本的なバトルをたくさん楽しんでいただきたいと思いますが、「古龍」をかっこよく見せられるようなバトルイベントみたいなものは将来的に必ずやりたいと思っています。

――外の風景を背景として、そこにモンスターを出すARのような機能を用意する予定はあるのか。

野村氏
 そのような機能も用意する予定です。

――課金の要素は。

野村氏
 「Monster Hunter Now」は課金をしなくても遊べますが、課金によってゲーム内のアイテムなどを購入し、さらに楽しめる要素もあります。

 具体的なアイテムは、ベータテストで体験していただければ。

――登場する武器の種類はどれくらいあるのか。

菅野氏
 現段階では調整中のものもあり、具体的な数はお答えできません。

 まずは、人気の武器や、シンプルに「Monster Hunter Now」を楽しんでいただける武器を、ゲームの進行に合わせて追加していくかたちで考えています。皆さんの声を反映していきたいです。

辻本氏
 ハンマーをお願いします(笑)。

――原作には「下位」「上位」「G級」のような難易度があるが、「Monster Hunter Now」にはどのようにして落とし込んでいるのか。

菅野氏
 皆さんが毎日繰り返し遊べるような難易度設計をしています。原作の難易度をそのまま採用したわけではありませんが、基本的な考え方は原作をリスペクトしています。

多彩な遊び方

――ナイアンティックとしては、これまでにさまざまなゲームを出してきたと思う。「Monster Hunter Now」ならではの新しいテクノロジーがあれば教えてほしい。

野村氏
 テクノロジーについては日々研究開発を進めていて、ある日急に新しいものが出てくるわけではありませんが、たとえば「Monster Hunter Now」では「いつでも冒険」モードがあります。

 (このモードでは)プレイヤーが外にいてゲームをしていない間でも、“オトモ”(編集部注:ゲーム内の仲間)が自分で考えて、近くにいるモンスターに「ペイントボール」を投げておいてくれるので、家に帰ってきてから遊べます。

――「Campfire」のように新しいコミュニティを形成する取り組みはあるのか。

菅野氏
 ソーシャルは、ナイアンティックとして力を入れたいポイントです。具体的に「Campfire」をどう使うかはお答えできませんが、(「Monster Hunter Now」と)「Campfire」を連動させて、ほかのプレイヤーを感じながら遊べるゲームにしたいです。

 近くにいるいろいろなハンターの方たちと手軽にマッチングして、一緒に狩りができるというしくみはソーシャルな部分だと考えています。

野村氏
 ベータテストに登録して試していただければと思いますが、マッチングの部分は本当にびっくりするというか、「これは面白い」と思っていただけるところなのではと思います。

――あまり外に出ないプレイヤーでも楽しめる内容になっているのか。

野村氏
 本当に一歩も家から外に出ない場合、遊べることはかなり限られてしまいます。ただ、たとえば通勤したりスーパーに出かけたりというなかで、バックグラウンドでゲームを進められる「いつでも冒険」モードなどは用意しています。

 プレイヤーの方々のチョイスにもよりますが、バックグラウンドで進めて家で遊ぶこともできますし、実際に外で「Monster Hunter Now」を開き、周囲の人と一緒にプレイするスタイルもあります。

 たとえば開発チームでは、それぞれが通勤の間に見つけたモンスターを持ち寄り、一緒に遊ぶことも頻繁にありました。いろいろなスタイルで楽しんでもらえるかと思います。