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「ChatGPT」、プラグイン対応でWeb検索や外部サービス連携可能に

 OpenAIは、「ChatGPT」のプラグインを一部の開発者向けに公開した。プラグインの最初の開発者には、旅行予約のExpediaや、航空券やレンタカー検索のKAYAK、レストラン予約のOpenTableなどが名を連ねている。

 このほか、OpenAI自身が開発したプラグインとして、Webブラウザとコードインタープリターを提供するほか、サードパーティのプラグイン開発を支援するために、検索プラグイン(retrieval plugin)をオープンソース化した。

 OpenAIでは、ウェイティングリストに登録された一部のユーザーと開発者を対象にα版を提供し、時間をかけてより多くのユーザーや開発者向けに提供する。

 OpenAIが公開したデモ動画では、「週末にサンフランシスコでヴィーガンフードを食べたい。土曜日にレストランを予約して、日曜日の簡単なレシピ(材料だけ)を教えてくれない?レシピのカロリー計算にはWolframAlphaを使って、材料をInstacartで注文して。」と入力すると、ChatGPTが各種プラグインと連携してレストランを予約した上で、レシピとカロリーの表示、材料の購入手続が自動処理されている。

プラグイン提供の目的や今後の計画

 現在の言語モデルは、さまざまなタスクを処理できるが、あらかじめ用意された学習データに限って利用できる。このため、学習データは過去のものである可能性がある上に、出力できるデータはテキストデータに限られている。

 同社は、プラグインが言語モデルの目や耳となり、学習データに含まれていない新しい情報、個人的な情報や特定の情報にアクセスできるようになると、その拡張性を紹介した。今後数カ月の間でシステムの安全性を高めながら、OpenAIモデルを使用する開発者が、「ChatGPT」以外の独自アプリケーションにプラグインを統合できるようにすることを計画しているという。

今年のアカデミー賞の受賞者は?

 OpenAIによるブラウザプラグインのデモでは、「今年のアカデミー賞の受賞作品の興行収入は、最近公開された映画と比較してどのぐらい?」という質問に、「ChatGPT」が回答する様子が公開されている。

 デモでは、最優秀映画賞を受賞した「Everything Everywhere All at Once(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)」が、世界の興行収入で1億ドルを記録したのに対し、「Scream VI」は公開初週の興行収入が約5852万ドルであると「ChatGPT」が回答している。

 続いて、「最優秀俳優賞、最優秀映画音楽賞、最優秀映画賞、最優秀助演賞を受賞した作品や俳優を教えて、それらをポエムにまとめて」という入力に対して、それぞれの受賞者や受賞作品を回答した上で、作品や受賞者を詩的に紹介する文章を出力した。

コードインタープリター

 コードインタープリタープラグイン(α版)は、プログラミング言語のPythonを用い、ファイルのアップロードおよびダウンロードをサポートする試験モデル。

 「ChatGPT」は、サンドボックス化された実行環境で動作するPythonインタープリターと、一時的なディスク容量を割り当てを提供する。コードはこの環境上で動作し、チャットの期間中(タイムアウト上限あり)はセッションが維持される。

 OpenAIが公開したデモでは、「レンガの重さは、レンガの30%分とGPU5個分の合計である。100個のレンガと200個のGPUで合計1トンあるとき、レンガの重さはいくらか?」を質問すると、文章から計算式を導き、レンガ1個の重さを7.8125kgであると回答した。出力の途中では、プログラミングを用いた計算が行われている。