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アートアクアリウムで「メタバース×NFT」、ドコモが提案する新体験とは

 NTTドコモは、Amuseum Parks、HARTiと連携し、銀座の「アートアクアリウム美術館 GINZA」で、NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)と組み合わせた新たなメタバース体験を9月1日から提供する。

 金魚に特化し、独創的な雰囲気を漂わせる展覧会「アートアクアリウム」。そこで提供される新たな体験とは? 今回はひと足先に体験する機会を得られたので、そのようすを本稿でお届けする。

「アートアクアリウム」の世界観

 今回の新体験は、「銀座三越 新館」のアートアクアリウムの入場者に対して提供されるもの。入場料はWebチケットが2300円、当日券が2400円となっている。

 アートアクアリウムに入場すると、水槽の金魚がライトアップされた幻想的な空間が広がる。コラボレーションアートのコーナーや、物販コーナーなども設置されている。

ドコモのメタバース空間「ART AQUARIUM WORLD」を体験

 アートアクアリウムを順番に見ていくと、出口付近に設置されている「円窓デジタリウム」。ここで、ドコモのメタバース空間「ART AQUARIUM WORLD」を体験できる。

 「ART AQUARIUM WORLD」は、ドコモの技術を活用し、アートアクアリウムの世界観を表現したメタバース空間。

 メタバースの構築にあたっては、アートアクアリウム内で撮影した写真から3Dコンテンツを形成する3次元画像処理技術が採用された。また、生成されたコンテンツをメタバース空間へ配置する独自フレームワークも取り入れられている。

 これらの技術により、従来の技術では難しかった光の反射や屈折・透過度が再現できるようになった。加えて、メタバース空間構築のスピード向上・コスト削減も期待できるという。

 「ART AQUARIUM WORLD」での体験は、アートアクアリウム内に設置されたデバイスのタッチパネルを用いたゲーム感覚のもの。7分間の制限時間内にゲームをクリアすると、後述する金魚のイラストのNFTが進呈される(先着300名)。

アバターの選択画面
視点も自由に調整できる

 実際に体験してみた感想として、難易度はそれほど高くないという印象。そのため、実際のアートアクアリウム同様の幻想的な雰囲気をしっかり味わえた。

画面下部に表示されるミッションをクリアしていく

 メタバース空間では、アートアクアリウムにおける実際の展示「オリガミリウム」も再現されている。「あ、これはさっき見た展示だ」と思い出しながら楽しめそうなコンテンツになっていた。

アートアクアリウム内の展示「オリガミリウム」
メタバース空間でも、「オリガミリウム」の再現イメージが配置されている

アンケートに回答すると先着でもらえるNFT

 ゲームのクリア後はアンケート画面が表示され、これに答えると、金魚のイラストが描かれたNFTが進呈される。なお、NFTの進呈は先着300名分で終了するが、メタバース体験は12月31日まで提供される。

クリア後に表示されるアンケート

 NFTは、アンケート回答後に表示されるQRコードを手持ちのスマートフォンで読み取り、NFTアプリ「HARTi(ハーティ)」で受け取るしくみ。アプリをインストールしていない場合は、インストールを促す画面に遷移する。

NFTは、「HARTi」アプリで受け取る

 NFTの金魚のイラストは3種類で、ランダムに配布される。「ブロックチェーン技術によってデジタル作品の唯一性を証明する」というNFTの特性を利用し、ユーザーのエンゲージメントを高めるねらいがあるという。

 また、今回のNFTを保有するユーザーには、「HARTi」のアプリを通じてアートアクアリウムからの特別な案内が後日届き、再来館のきっかけづくりが図られる。

配布されるNFT

 ドコモはこれまで、リアル店舗とメタバース空間を組み合わせた取り組みを実施してきた。

 アートアクアリウムにおける今回の施策ではNFTという要素も取り入れ、マーケティング手法「OMO(Online Merges with Offline、オンラインとオフラインの統合)」に関する取り組みとして、効果やユーザーの反応などを検証していく。

 また、メタバース空間をスピーディーかつ安価に構築するための独自フレームワークなどについても、自社サービスでの活用や他社サービスへの展開を図るとしている。