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総務省、5Gのインフラシェアリング推進へガイドライン改正

 総務省は、「移動通信分野におけるインフラシェアリングに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン」を改正した。

 また、同ガイドラインの改正案に対して提出されたパブリック・コメントを公開し、提出されたコメントへの総務省の考え方を示した。

 同ガイドラインは2018年12月に初版が策定された。今回の改正は、第5世代(5G)移動通信システムの整備にあたって、ビルや地下街などの屋内、ビル屋上やルーラルエリアなどの屋外における鉄塔などの設備を他者に使用させるインフラシェアリングの活用を推進するために、電気通信事業法や電波法の適用関係を明確にすることを目的としている。

 改正案に対するパブリック・コメントは、移動通信事業者のNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルのほか、インフラシェアリング事業を行うJTOWERなど、法人から合計8件、個人から1件の意見が提出された。

 通信事業者およびJTOWERは、インフラシェアリングにおおむね賛同する意見を提出している。また、楽天モバイルは、インフラシェアリングだけでなくRANシェアリングなどによるカバレッジ拡充についても、国の財産である電波を有効利用し、デジタル田園都市構想などを実現するためには検討すべきと主張した。

ガイドライン改正の内容は?

 今回のガイドラインの改正では、いくつかの想定例がガイドラインに明記された。

 ビルや地下街などの屋内で、機械室に移動通信事業者の無線機や電気通信設備シェアリング事業者の共用化装置(MU)を設置し、フロアごとや場所ごとに共用の子機(RU)や共用空中線を設置して運用する場合、通信事業者がそれぞれ電波の発射などを制御する無線機を設置して運用するため、通信事業者は無線局の免許を取得する必要があるが、電気通信設備のシェアリング事業者は、無線局の免許を取得する必要はない。

電気通信設備シェアリング事業者は、無線局の免許取得が不要

 また、共用空中線について特定の通信事業者が電波の発射を行う意思がない場合には、電波の発射を希望しない事業者の電波が発射されないようにシェアリング事業者が設定することや、そのための措置を通信事業者と電気通信設備シェアリング事業者が行うと契約すれば、電波の発射を希望しない共用空中線については免許の取得が不要になる。

B社は、共用空中線iiとivに係る免許の取得は不要