楽天モバイル、仮想化O-RAN研究開発のためのラボを開設

　楽天モバイルは仮想化Open RANの商用モバイルネットワーク構築で得られた知見や技術を活用した技術検証環境「楽天モバイルオープンイノベーションラボ」を開設した。

　国内外の通信事業者やベンダーなどの企業、学術機関などパートナー団体・企業への仮想化Open RANの技術検証環境の提供を本格的に開始。今後提供を拡大することで、国内外における仮想化Open RANの研究開発を加速させるという。

　また、クラウドネイティブなネットワーク機能を汎用ハードウェア（COTS）上で実行する分散型アーキテクチャとコンテナ化により、パートナーの仮想化Open RAN導入における総所有コスト（TOC）削減や自動化、イノベーションの推進に貢献する。

（写真左）東京工業大学の仮想化Open RAN設備
（写真右）東京大学の仮想化Open RAN設備

　楽天モバイルオープンイノベーションラボの機能を楽天クラウドイノベーションラボに設置することに加えて東京工業大学および東京大学の構内に遠隔で接続した仮想化Open RANの技術検証環境を提供する予定。

　パートナー団体・企業は、リモートで新設されるラボへ接続することで仮想化Open RANの技術検証をすることができ、検証地点への移動が不要となるほか、自前で検証環境を構築することなく、迅速かつ簡単に開発を進めることができるようになる。また、楽天モバイルは、パートナーが所有する施設において技術検証環境を構築することも可能になる。

　さらに、楽天モバイルオープンイノベーションラボでは、vDU（分散ユニット）とvCU（集約ユニット）を完全に分離し、仮想化ネットワークを構築することで、様々な拠点における検証を可能にし、パートナーが求めるネットワークの用途に応じた柔軟な仮想化Open RANベースのアーキテクチャー構築を実現するという。

　加えて、本ラボは、Beyond 5Gを見据えて、RANを管理・制御するインテリジェント機能「RAN Intelligent Controller」（RIC）によりネットワーク設計や運用の最適化の実証を支援することを目指しているという。

　ICプラットフォームでAIアプリケーションを活用することで、ネットワークへの負荷や障害の可能性をあらかじめ検知してネットワークを自動的に最適化するほか、仮想化Open RANのパフォーマンスを向上し、安定した通信環境の開発にも取り組んでいる。

（例）東京工業大学の仮想化Open RAN技術検証環境