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KDDI、日本で初めて量子コンピューティング技術で通信品質を改善

 KDDIは、2022年1月~2月に日本で初めて量子コンピューティング技術を活用して、基地局の通信品質の改善を図った。東京都・神奈川県の一部の基地局約1000局の設定を最適化し、ユーザーの通信速度がさらに向上したという。

 同社は今回の取り組みで、量子コンピューティング技術と同社が保有する特許技術を活用し、多くの基地局をまとめて自動で最適化する手法を確立した。

 基地局には、もともと複数の基地局間で影響を考慮しなければならない設定があるとされ、それを最適化することで通信品質を向上できる。しかし、多くの基地局を対象にすると、従来型の汎用コンピューターによる総当たり計算では設定パターン数が膨大になり、最適化を完了することが困難だった。

 そこで同社は、富士通が開発した量子インスパイアード技術である「デジタルアニーラ」を用いて、多くの基地局をまとめて最適化する手法を確立。これにより、約1000局の基地局の最適化を約60分で計算でき、従来よりも高精度の品質改善が可能となった。

 KDDIでは、2022年度以降、量子コンピューティング技術を活用し、東名阪の都心部を中心として4G/5Gの通信品質向上を目指していくとしている。