NTT Comとトレンドマイクロ、セキュリティ機能搭載のeSIMを共同開発――22年度中にもサービス化目指す

　NTT コミュニケーションズ（NTT Com）とトレンドマイクロは、セキュリティ機能を搭載するeSIM（eUICC）を共同で開発した。今後、2022年度内の商用化を目指してトライアルを実施していく。

　開発されたeSIMは、SIMの中にセキュリティ機能を実装したもので、IoT機器のスペックによらず、セキュリティ機能を付加できる。2月からフィールドトライアルを実施し、2022年度内にサービス化が検討されている。

　同eSIMは、契約情報以外の機能を備えられる「アプレット領域」と呼ばれる場所にセキュリティ機能を実装しており、トレンドマイクロのモバイルネットワーク向けセキュリティソリューション「Trend Micro Mobile Network Security」のコンポーネントである「TMMNS Endpoint Protection」による機能が利用できる。

　これにより、IoTデバイスとeSIMが正しい組み合わせであるかを照合し、不正な接続を未然に防げる。また「TMMNS Network Protection」との連携で、IoTデバイスのマルウェア感染の検知や不正な通信をリアルタイムでブロックするといったこともできるようになる。

　この仕組を用いることで、さまざまな場所で利用されるIoTデバイスのセキュリティ対策をネットワーク上で一元的に実施でき、コスト削減やリソース最適化につなげられるという。

　NTT Comの独自技術により、これまで通信事業者以外には閉ざされていたeSIMのアプレット領域をパートナー開発者に開放することで実現した。開発を行えるのは、NTT Comが審査した信頼できる企業に限られ、サービス化された場合、さまざまな付加機能をもったeSIMの登場が期待される。