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新経済連盟、電気通信事業法の改正に懸念表明――「深刻な負担でDXを阻害」

 楽天グループなどが加盟する新経済連盟は、総務省で検討が進められている電気通信事業法の改正について、懸念する声明をWebサイト上で発表した。

 新経済連盟は、改正案の現状について、ネットを利用する企業やデジタルサービスに対しての広範な規制は、今後のDX化でさらに多くの企業が電気通信事業法の規制対象となるため、IoTやM2Mのデータ流通に大きな影響を及ぼすとしている。

 さらに、現在進められている規制の方向は「国際的に極めて異常」として日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)に悪影響があるとしたほか、個人情報保護法と電気通信事業法の二重規制をもたらすことや、ICT技術を活用する企業は2つの法への対応を迫られ、負担になる旨を主張している。

 このほか、「非公開の場で大規模な法改正を行おうとしている」とも批判し「日本社会のデジタル化により期待される経済活動の活性化や生活の質の向上の妨げとなりかねないこうした過剰規制への方向性は見直す必要がある。拙速に法案を提出するのではなく、オープンな環境の下での公正かつ精緻な議論を改めて実施することを求める」とした。

 総務省の「電気通信事業ガバナンス検討会」では、時代や環境の変化により、情報の漏洩・不適正な取り扱い・サービス停止などのリスク上昇、またそれにより国家的な利益の侵害につながるおそれがあるとして、電気通信事業法の改正が検討されている。

 改正案の検討の中では、電気通信回線設備を自前で持たない事業者に対しても、情報の適正な取り扱いが必要としており、個人情報を用いずに利用者を識別するサービスもあることから、そうした情報についても合わせて適正な取り扱いを電気通信事業法の中で定める必要があるのではないかといった議論も合わせて進められている。