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クアルコムの「Snapdragon 8 Gen 1」、その撮影性能は

 クアルコムは1日(日本時間)、モバイル向けの新チップセットとして「Snapdragon 8 Gen 1」を発表した。

 本記事では、同チップセットのパフォーマンス面について取り上げた別記事に続くかたちで、「Snapdragon Tech Summit 2021」における解説のうち、撮影性能に焦点を当てて紹介する。

18ビットのISPを3つ搭載

 「Snapdragon 8 Gen 1」は、18ビットの画像処理プロセッサ(ISP)を3つ備えている。

 これにより、従来比で4096倍もの撮影データを取り込めるほか、豊かな色調やダイナミックレンジの向上が実現する。

 また、撮影速度もアップし、1秒間に3.2ギガピクセルの撮影が可能になる。12メガピクセルの写真であれば、1秒間に240枚を撮影できる。

 低照度の写真を明るくする「マルチフレームエンジン」は、「メガマルチフレームエンジン(Mega Multi-Frame Engine)」へと進化。従来の5倍となる30枚の写真を撮影・合成し、暗い場所での撮影をサポートする。

 また、18ビットのRAW撮影に対応し、撮影した写真を自分で編集したいというニーズにも応える。

動画撮影性能もアップ

 18ビットのISPは、動画撮影性能の向上にも寄与する。

 8K HDR(33メガピクセル)の動画と同時に64メガピクセルの写真も撮影されるため、ユーザーは撮影の際にどちらかを選ぶ必要はない。

 「コンピュテーショナルHDRビデオ(Computational HDR VIDEO)」と呼ばれる機能もアップグレードされる。1フレームにつき3つの露出を扱えるようになり、鮮やかな映像が撮影できる。

 また、8K画質で「コンピュテーショナルHDRビデオ」による撮影を行うこともできる。

マスクを使った顔認識も

 「Snapdragon 8 Gen 1」では、カメラを使った顔認識・検出に、リアルタイムの機械学習(AI)処理が用いられる。

 人物の顔において300もの目印を検出し、さまざまな顔の特徴を識別する。被写体の横顔が部分的に隠れていたり、マスクを着用したりしていても、より正確に顔を認識できる。

ソニーやライカとの連携も

 クアルコムとソニーは、米サンディエゴのクアルコム本社にジョイントラボを設立した。イメージセンサーに関するソニーの知見も活用しながら、次世代のカメラ技術の開発に取り組む。

 ライカらしいモノクロ写真を撮影できる「Leitz Looks」には、「Street」「Vantage」「Noctilux」と名付けられた3つの新モードが22年第1四半期に登場する。

 Ernst Leitz Labs社のリリースによれば、「Snapdragon 8シリーズの搭載端末の全ユーザーが利用できる」という。