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ソフトバンクとHonda、歩行者と車による事故低減に向けた技術検証を開始

 ソフトバンクと本田技術研究所は、5G SAおよびセルラーV2X通信システム(セルラーV2X)を活用した、歩行者と車による事故低減に向けた技術のユースケース検証を開始した。

 本田技術研究所の鷹栖プルービンググラウンド(北海道上川郡鷹栖町)に設置したソフトバンクの5G SAの実験用基地局と本田技術研究所の認識技術を活用し、以下の3つのユースケースにおける技術検証が実施される。

ユースケース1:車両から目視できる歩行者の事故低減

 走行車両から歩行者を目視できる環境において、車載カメラで歩行者が車道へ進入するなど事故の危険性を認識した場合、車両から直接もしくはMECサーバーを介して、歩行者が所持する携帯端末に注意喚起を促す警報を通知する。

 歩行者が回避行動をとることで、車両と歩行者の接触事故を防止する。

ユースケース2:車両から目視できない歩行者の事故低減

 走行車両が路上駐車車両などの障害物によって、歩行者を目視できない環境にいる場合、見通しが悪いエリア内の歩行者の有無を、周辺の携帯端末や他の車両に問い合わせる。

 歩行者がいる場合は、歩行者に走行車両の接近を通知するとともに、歩行者の携帯端末から走行車両に対して、見通しが悪いエリア内に歩行者がいることを通知する。

 また、見通しが悪いエリア内の歩行者を目視できる位置に他の車両がある場合は、その車両から走行車両に対して、見通しが悪いエリア内に歩行者がいることを通知する。

 このように、走行車両と歩行者、他の車両が高速でデータ通信することで、接触事故を防止する。

ユースケース3:車両から目視できないエリア内の情報の共有による歩行者の事故低減

 走行車両からMECサーバーに対して、見通しが悪いエリア内の情報を送信し、MECサーバーは情報を整理して、周辺を走行する車両に通知する。

 通知を受けた車両は、見通しが悪いエリアに近づいた際に、歩行者の有無をMECサーバーに対して問い合わせし、歩行者がいる場合はMECサーバーから車両および歩行者に警報を通知する。

 このようにMECサーバーと車両、歩行者が高速でデータ通信することで、接触事故を防止する。

 このユースケースでは、カメラによる認識機能を持たない車両にも見通しが悪いエリア内の情報を送信することで、認識機能の有無にかかわらず、車両と歩行者の接触事故を防止できる。

 ソフトバンクと本田技術研究所は、2021年度中に5G SAとセルラーV2Xの連携を見据えた技術検証の完了を目指すという。