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「ahamo」提供開始から3カ月、中の人がサービスについて語る

 NTTドコモによる「ahamo」のサービス提供開始から3カ月が経過した。今回は、メディア向けに「中の人が語るahamoのすべて」と題したオンラインレクチャーが実施された。本記事では、その様子をお届けする。

髙山氏のプレゼンテーション

 まずは、ドコモ ahamo推進室の髙山賢人氏が、ahamoの概要と近況についてプレゼンテーションを行った。

髙山賢人氏

 髙山氏は、まず「20代前半までに約5割のユーザーが、携帯料金の支払いを家族名義から自分名義に切り替える」というデータを披露する。

 その上で、デジタルネイティブ世代と呼ばれる若年層に向けて、「ライフスタイルが変化していく中、個人向けにぴったりなプランを提供したい」と考えた結果、生まれたのがahamoだと位置づける。

 ahamoの料金は、音声通話とデータ通信がセットになったワンプラン。税込みでも3000円を下回る料金設定がアピールポイントだ。

 ahamoのデータ通信は、4G・5Gともにドコモと同等のネットワーク品質で快適に利用できる。回線が混雑している場合でも、速度制限はかからない。

 そのほか、テザリングや海外のデータ通信も、追加料金なしで利用可能となっている。

 ahamoは、サービス開始から約1カ月(2021年4月末時点)で契約者数が100万人を突破している。

 ahamoへ乗り換えたユーザーのうち、9割以上がサービスに満足しているという。ユーザーの満足度が高い点としては「料金プランの安さ」「通信の速さ」「通信エリアの広さ」などが挙げられる。

 ドコモの「ギガホ」からahamoへの流出が進むことによる収益面での影響に関して、ドコモ広報部によれば「一定の収益減は避けられないかもしれないが、ahamoの提供によって他社からの流入に期待できる。また、他社への流出を抑止する効果もある。したがって、単純に値下げをしたから収益が下がるというより、中長期的な視点で収益を上げていきたい」とのこと。

7月11日に無料オンラインライブを開催

 髙山氏のプレゼンテーションの中で、ahamoが7月11日に開催する無料オンラインライブ「つながる詩の日」が紹介された。

 人気アーティストの生まれ方が多様化する中で、「ボカロP」×「歌い手」のスキームから多くのスターが生まれている。ahamoはそうした新しい流れの中心を担う、デジタルネイティブ世代に寄り添える存在を目指しているという。

 ahamoのYouTubeチャンネルで生配信されるライブに関して、髙山氏は「完成されたライブを皆さんにただお届けするのではなく、皆さんと一緒にライブを作っていきたい」とコメントした。当日のライブの優勝者は、視聴者と審査員が共同で選定する。

佐々木氏のプレゼンテーション

 続いて、ドコモ サービスデザイン部の佐々木千枝氏が紹介するのは、ahamoのサービス設計においてどのような点を意識したか、ということだ。

佐々木千枝氏

 ahamoがメインターゲットとして想定したのは、社会人1~3年目のユーザー。直接インタビューやリサーチを実施し、サービス設計に役立てたという。

 従来の携帯電話プラン変更における「店頭に行って直接申し込む」というイメージとは異なり、ahamoは「Webで完結すること」をセールスポイントとする。

 佐々木氏は、ahamoの申込画面に関して、「スキマ時間でも申し込めるような画面を目指して設計した」と語った。

 ahamoのWebサイトでは、6月30日からスマートフォンの機種変更に対応している。また、チャットボットの導入によって混雑時でもユーザーサポートが可能になるなど、サポート体制の拡充が進んでいる。

質疑応答

――ahamoを「若者に届ける」という点で、工夫した点や苦労した点は。

佐々木氏
 既存のドコモの仕組みを流用した上でahamoを作っているが、その中でも「本当に必要なものは何か」ということをディスカッションして絞った結果、シンプルなワンプランのahamoになった。

 Webサイトに関しては、若年層向けであることを意識し、イラストやカラフルな色による演出をしている。

髙山氏
 若い世代が持っている価値観などを、社内で伝えていくということが大変だった。私たち自身はこうした感覚をなんとなく持っているが、プロジェクトを進めていく中で、40代~50代の人たちともコミュニケーションをとることになる。そのときに、感性に頼るだけでなく、定量的な数値や事実とあわせて伝えていくということに苦労した。

――デジタルネイティブ世代にアプローチする上で、ボカロカルチャー以外に想定しているジャンルを教えてほしい。

髙山氏
 今この場ではあまり具体的に言えないが、「オンラインで触れられるもの」というものは意識している。また、広く浅く認知されているものだけでなく、熱量があるコアなファンがいるジャンルもやっていきたい。

 今回のボカロPに関しても、ここ数年で急激に広がりを見せているジャンルであり、そのカルチャーの中心にいるのはコアな人たちだと思う。そういうカルチャーを取り上げていきたい。個人的には、VTuberやeスポーツなど、そういった文脈で取り組めたらいいなと感じている。

――他社の「povo」「LINEMO」といったプランとの違いは。

髙山氏
 他社ブランドは音声通話を分離した形の料金プランとなっているが、我々はオプションをたくさん増やすというより、(音声通話を含めた)オールインワンパッケージという形でやっている。

 また、海外ローミングも無料で使えるという点は、ユーザーから高い評価を受けている。

――総務省による携帯電話料金値下げの圧力は、ahamoの開発においてどういう影響があったのか。

佐々木氏
 ahamoの構想が始まったのは、2019年12月くらいから。携帯電話の値下げに関する圧力はその後に出てきたトピックだった。

 タイミング的に一致してしまったが、中の人間としては、それ以前から考えてきたことが、たまたま世の中の流れと合った形だと認識している。

――契約者数が100万人を突破したことに関して、具体的な内訳や属性を教えてほしい。

髙山氏
 契約者は、やはり30代以下の人が多い。また、MNOからの乗り換えも多いが、ドコモに乗り換えるユーザーの割合と比較すると、MVNOからの乗り換えが多いと感じる。

――3000円を切る価格設定の理由は。

髙山氏
 価格設定は、他社の動向を踏まえながら設定したものになる。他社のサービスと比較して、それでもユーザーに選んでもらえるような形にした。消費税込みで見せやすい価格(2970円)という点に関しても、幹部陣含めてこだわった部分。

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