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HIS Mobile新料金プラン「格安ステップ」、猪腰社長「かなり無理している」

H.I.S.Mobile代表取締役社長の猪腰 英知氏

 H.I.S.Mobileは、MVNOサービス「HIS Mobile」で、4Gの新料金プラン「格安ステップ」を発表した。発表会には、「低容量プランでの安さにこだわった」という同社代表取締役社長の猪腰 英知氏が登壇し、H.I.S.Mobileの目指す姿などを説明した。

HIS Mobileについて

 HIS Mobileの事業は、「変なSIM」などの「海外旅行客領域」と「訪日旅行客領域」、今回の「国内通信領域」の3つに分けられる。同社も傘下にあるHISグループでは、旅行事業やテーマパーク事業などを展開しており、世界65カ国に拠点を持っていることを活かし、グループ内のさまざまな事業と通信を組み合わせ、新しい価値創造を提供し続ける会社になっていきたいという。

 自身もHIS社員だったという猪腰氏は、「トラベル事業は人と(別の場所にいる)人を繋げるお手伝いをする事業で、必ず移動を伴うもの。(移動しても会話できる携帯電話事業は)親和性が高いと感じている」とコメント。トラベラーの問題解決など新しいソリューションを提供していきたいと考えを示した。

新料金プラン「格安ステップ」

 新料金プラン「格安ステップ」は、NTTドコモ回線で提供され、音声対応SIMで1GB590円~で利用できるプラン。

 音声通話が含まれるプランは、データ容量1GBで590円、3GBで790円、5GBで1190円、7GBで1490円、10GBで1790円で利用できる。また、データ通信とSMSが利用できるプランは、1GBが520円、3GBが750円など、データ通信のみのプランは、1GB490円、3GB620円などで利用できる。

 音声通話は専用アプリやプレフィックス番号なしで、30秒あたり11円、月額700円で5分までの通話かけ放題オプションをつけられる。

 価格にこだわったとする猪腰氏は、「600円を切って590円というところで、かなり無理はしてますけれども、やらせていただい」とコメント。

 同プランの背景には、「MVNOユーザーの約70%は3GBまでの通信量で収まっている」ことや「20GB以上の大容量プランを契約するユーザーでも低容量帯に収まっているユーザーが多い」ことに注目。さらに、ドコモのオンライン専用プラン「ahamo」のユーザーに対するアンケート結果で「5分以内の国内通話無料」について魅力と感じているユーザーが多いことにも着目し、同社では「データも音声もお得」なプランを検討したとしている。

 また、HIS Mobileでは今後、端末販売にも力を入れていくという。

 HIS Mobileのオンラインショップでは、新たにモトローラ製の「moto e 6s」や「OPPO Reno5 A」、「iPhone 7」の取り扱いを開始し、あわせてセールを7月5日から開始する。

 また、同プラン契約者先着1000人にHISの「海外オンライン体験ツアー」を無料で招待するキャンペーンや、HISグループの電力会社「HTBエナジー」への乗り換えで「電気基本料金6カ月間と電話基本料金1カ月間」が無料になるキャンペーンを実施している。

HISの実店舗での連携について

 MVNOサービスを展開する事業者のなかには、自前で実店舗を設置して端末購入や契約手続きなどを行っている事業者がいる。旅行業を営むHISも全国各地に店舗を構えているが、これらの店舗でのHISモバイルサービスの取扱いはないのだろうか。

 猪腰氏は、「(HIS店舗の)旅行スタッフがそのまま(契約まで)案内するのではなく、旅行スタッフが仲介したり、法人グループの旅行手配時に通信プランを紹介したりする」連携を考えているとしている。

 なお、H.I.S.Mobileでは大宮と池袋で直営のリアル店舗を構えているが、iPhoneの修理業務などを含めた店舗運営を行っている。低廉な通信料金でサービスを提供する場合、自社での店舗運営はコストの観点から難しいといい、店舗運営の新たなビジネスモデルを模索している最中だと猪腰氏は説明する。

 また、今後の5G対応について「すぐに(5G通信サービスを)開始する意思はまったくない」(猪腰氏)としている。その理由として、「現時点で(5Gサービスを)利用できるユーザー数が少ない」ことをあげ、5Gサービスでコストを掛けるよりは普及している4Gサービスのみに絞り、低廉な料金でサービスを提供していく。