ニュース

Apple Watch向け「watchOS 8」が今秋登場、その特徴は

 アップルは、Apple Watchのソフトウェアの最新版「watchOS 8」を発表した。今秋リリース予定で、7月からパブリックベータ版が公開される。iOS 15搭載のiPhone 6s以降とペアリングされるApple Watch Series 3以降に提供される。

「ポートレート」文字盤

 Apple Watchの文字盤(ウォッチフェイス)では、新たに「ポートレート」が導入される。iPhoneで撮影されたポートレート写真のなかの顔を認識して的確にトリミングして表示する。

 写真アプリも刷新され、新たな方法でコレクションを観られるようになる。またメモリーとおすすめの写真がApple Watchと同期するようになる。

Wallet機能

 Apple Watchを、自宅やオフィス、ホテル、自動車の鍵としても利用できる「ホームキー」機能が用意される。かざしてロックを解除、という流れで使うことになる。家族と鍵を共有することもできる。

 2021年後半には、ハイアットやディズニーリゾートのホテルでは、ドアの鍵をApple Watch対応にするよう取り組み始めているという。Walletには、宿泊する部屋の情報も格納され、チェックインできるのか、部屋番号はどうなるのかわかる。

 2020年に発表されたクルマの鍵としての機能では、これまでNFC対応として使う形だったが、watchOS 8では、UWBを活用する。また、たとえば10m先に自らのクルマがあれば、Apple Watchからクルマのクラクションを鳴らしたり、車内の空調をコントロールしたりできる。

 また1m程度まで近づくと、自動的にクルマのドアのロックが解除される。

 米国においては、運転免許証や州ごとのIDカードをサポート。詳細は2021年後半にも明らかにされる。なお、米国外での展開は明らかにされていない。

ホームアプリ

 ホームアプリは刷新され、スマート家電がより使いやすくなった。

 ステータスコントロールを示す画面では、室内の温度、照明の状況、扇風機の稼働状況などがわかる。あわせてApple Watchから照明などスマート家電のON/OFFを操作できる。

 ホームアプリの新機能「カメラルーム」は、HomeKit対応のカメラで捉えた映像を、Apple Watchでも観られるようにする。カメラにスピーカーがあれば、Apple Watchのマイクを使って、インターフォンとしても使える。

 インターコム(Intercom)と記されたボタンから、HomePodやほかのデバイスにメッセージを送れる。

マインドフルアプリ

 呼吸アプリは、watchOS 8で「マインドフルネス」アプリにリニューアルされる。

 新たなビジュアライゼーションが用意され、「リフレクト」という新タイプのセッションが追加される。リフレクトでは、たとえば、「最近で落ち着きを感じた時間を思い出してください。その感覚をこの瞬間に感じてみてください」または「感謝していることをひとつ思い出して、なぜそれほど感謝しているかについて考えてみてください」といった内容に表示され、瞑想しやすいよう導く。

 終わると、マインドフルネスとしてどういう状態だったか、心拍数がどの程度だったか示してくれる。

 これまで呼吸のリマインダーが通知されていたが、watchOS 8ではマインドフルネスのリマインダーを、ユーザーがあらかじめ指定したタイミングで受け取れる。

 このほか、ワークアウトでは、ピラティスと太極拳がサポートされる。

睡眠時の呼吸

 Apple Watchではこれまで、睡眠時間、心拍数、血中酸素ウェルネスなどを測定できるようになっていた。

 watchOS 8の新機能として、睡眠時、1分間あたりの呼吸回数も測定できるようになる。加速度センサーで計測するもので、iPhoneのヘルスケアアプリで確認できる。またHealthKitで許可を得て、サードパーティが測定値を利用することもできる。

メッセージと連絡先

 Apple Watchでのコミュニケーションとして、メッセージでは新たにスクリブル、音声入力、絵文字を利用できるようになる。単語や語句を入力してGIFアニメを選択することもできるようになる。

集中モード

 iOS 15で導入される集中モードを、watchOS 8でも利用できるようになる。たとえばワークアウトを始めると、「フィットネス」用の集中モードを提案してくれる。

その他の機能

 天気アプリでは、気象警報に対応。また1時間以内の降水量の警報なども示される。

 「持ち物を探す」アプリでは、Apple Watchでアップル製デバイスを探せる。

 タイマー機能では複数のタイマーを同時に動かせるようになる。10分、5分など同時に設定して、たとえば料理などで活用できる。タイマーごとにタイトルをつけるよう、Siriで指示できる。「お湯をわかすためのタイマーを5分で設定して」とSiriに語りかけると、「お湯をわかす」という名称のタイマーが生成されることになる。

タイマー