ニュース

楽天モバイル、周波数再編によるプラチナバンド割り当てや新規参入事業者への優遇を要望

 楽天モバイルは、総務省が23日に開催した「デジタル変革時代の電波政策懇談会(第2回)」において、同社に割り当てられている周波数が少ないなどとして新規周波数の割り当てや既存周波数の再分配を求めた。

 デジタル変革時代の電波政策懇談会は、今後の電波利用のあり方など、電波利用の将来像を検討する総務省の懇談会。第2回会合では、通信事業者に対して検討課題に対する考え方や対応方策などのヒアリングが行われた。通信事業者は楽天モバイルのほか、NTTドコモ、KDDI・UQコミュニケーションズ、ソフトバンク・Wireless City Planningが出席した。

 楽天モバイルは「他キャリアと比較して(割り当てが)圧倒的に少なく、電波が届きやすいプラチナバンド(800MHz)帯が割り当てられていない」としたうえで、新規参入事業者と既存事業者の公正な競争環境を実現するために、周波数を再分配する仕組みを導入するよう要望した。さらに、フランスやイギリスにおける周波数再編や「周波数オークション」の例をあげ、今後新たな周波数を割り当てる場合には、新規参入事業者を優遇するよう求めた。

現状の周波数の割り当てと楽天モバイルによる要望

 また、楽天モバイルユーザーの1カ月間の利用データ量は携帯3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)平均の約2倍であることから、周波数の割り当ての指標となる「ひっ迫度」(1MHzあたりの契約者数)は2021年に現在の3キャリアと同レベルになり、2023年には他キャリアを超えるとの見通しを示した。

周波数のひっ迫度(NTTドコモによる資料)
楽天モバイルによるひっ迫度のシミュレーション

 周波数の再編を行う場合には、総務省が2011年に制度化した「終了促進措置」により、新たに免許を受けた事業者が、既存免許人の設置済み設備の変更や移行などにかかる経費を負担するのが通例となっている。

 この終了促進措置により、KDDIは800MHz帯の再編後の加入者・トラフィック増に対する費用を負担しているほか、ソフトバンクはプラチナバンド(900MHz帯)割り当てにあたって既存免許人の移行費用を約6年で約979億円を負担している。

KDDIによる資料
ソフトバンクによる資料

 デジタル変革時代の電波政策懇談会では、これらの検討について2021年5月までに報告書案をまとめ、意見募集(パブコメ)期間を経て、同年7月に報告書を取りまとめる予定。