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ドコモと小田急が取り組む「XRシティ SHINJUKU」スタート

ダイナミックなアート体験や回遊体験

 NTTドコモと小田急電鉄は、XR技術を活用した新しいまちづくりプロジェクト「XRシティ SHINJUKU」に11月18日から取り組む。

 体験コンテンツは、「XR Collection&Museum」「XR Wonder Park」「code name:WIZARD Episode 1 魔導書の謎と六匹の妖精」がある。

 「XR Collection&Museum」は、小田急新宿駅の西口地上コンコースで開催されているコンテンツ。手持ちのスマートフォンでアート鑑賞やファッションショーを楽しめる。

 「XR Wonder Park」は、新宿サザンテラスで開催されているゲームコンテンツ。未来からやってきたバーチャルキャラクターといっしょに、新宿サザンテラスを回遊できるコンテンツとなっている。なお、「XR Wonder Park」は別記事のレポートが詳しい。

 「code name:WIZARD Episode 1 魔導書の謎と六匹の妖精」はXRデバイス「Magic Leap 1」を利用した謎解きゲーム。期間は12月26日~2021年1月21日まで、小田急百貨店の催事スペースで実施される。

XR Collection&Museum

XRコンテンツにアクセスできるマーカー

 XR Collection&Museumは、ファッションショー「XR Collection」と美術芸術鑑賞できる2つの「XR Museum」の3つに別れてコンテンツが展開されている。

 コンテンツは、専用アプリで会場にあるマーカーをスキャンしてコンテンツにアクセスできる。また、公式サイトからは会場外でもコンテンツを体験できる。

XR Collection

 「XR Collection」は、文化ファッション大学院大学の選抜10人のクリエイターの作品で行われるバーチャルファッションショー。

 小田急百貨店の大階段をバックに、XR技術で演出される空間とリアルの空間が融合し、ファッションショーが開催される。

XR Museum

 「XR Museum」は、多摩美術大学工芸学科と彫刻学科の作品を展示する。

 工芸学科からは、2020年の卒業制作優秀作品のうち、学校推薦で選ばれた作品2点を展示する。

 博物館での展示を楽しむように工夫されており、鑑賞するユーザーが近づくと、作品の細部などが確認できる。作品の脇には作品名や解説が記載されている。

 彫刻学科からは、「タマビ バーチャル彫刻展」に出展された作品を展示。ウェブ上の仮想空間に展示されたデジタル彫刻作品を展示する。

 既成概念にとらわれない自由な発想で生まれた作品を、XR技術でダイナミックかつスケール感のあるアート鑑賞ができる。

新宿の街を活性化させたい

 NTTドコモ ビジネスクリエーション部 XRビジネス推進担当部長の奥村 浩之氏は、「XRコンテンツを新宿で披露できることにわくわくしている」とした上で、「コンテンツやサービスの展開だけでなく、新宿のさらなる活力や魅力を向上させたい」と意気込みを述べた。

 小田急電鉄生活創造事業本部 新宿プロジェクト推進部課長の北島 大氏は、「これまで小田急グループで小田急自身の土地に対して発展するよう取り組みを進めてきたが、街全体を活性化させるためには周りやパートナー企業をいっしょに取り組むことが必要」との考えを示した。

 また、「XR Collection&Museum」では、ファッションや美術を学ぶ大学生の作品を展示している。これについて小田急の北島氏は、「1年がかりで製作した卒業制作を展示できる場が、コロナ禍でなくなってしまった」とし、「同取り組みにより、デジタルの下で美術芸術が発展する場を設けられた」とコメント。文化、芸術の発展に貢献できたとした。

小田急電鉄生活創造事業本部 新宿プロジェクト推進部課長の北島 大氏(左)とNTTドコモ ビジネスクリエーション部 XRビジネス推進担当部長の奥村 浩之氏(右)

ターゲットは街の人々、みんなが遊べるXRコンテンツ

 同取り組みのターゲット層について、小田急の北島氏は、「新宿の街で働くワーカーやショッピングに訪れる人々」だという。

 新宿駅を利用する人は多いが、ほとんどが働いたりショッピングをするなど特定の目的を持って来訪する人が多い。新宿の街を活性化させたいという思いがあり、あえてオープンな場で、新宿に足りないとする“デジタル領域”の取り組みを行ったとしている。

 また、ドコモの奥村氏は「だれでもみなさんが使えるXR技術を体験してもらいたい」とコメント。

 5G通信じゃないとできなかったり、特定のデバイスを用意しないとできなかったりするコンテンツは、一般の人が利用できないものと指摘。多くの人が利用しているLTE通信のスマートフォンを活用することで、コンテンツを一般の多くの人々に体験してもらい、XRコンテンツのよさを体感してもらいたいという。