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【今日は何の日?】KDDIの船舶型基地局の初運用日――災害時の臨時基地局への取り組み

2020年4月10日、本誌「ケータイ Watch」は、創刊20周年を迎えることができました。20周年となる2020年度、本誌では、日々「これまでの20年」を振り返ってまいります。

 2年前の2018年9月8日、KDDIは船舶型基地局を日本国内で初めて運用しました。

 9日に発生した北海道胆振東部地震による通信障害をうけたもので、日高沖に海底ケーブル敷設船「KDDIオーシャンリンク」を停泊させ、沿岸地域の通信をカバーしました。

船舶型基地局
海底ケーブル敷設船「KDDIオーシャンリンク」

 先日も台風9号や10号が九州地方を通過しましたが、台風や地震、集中豪雨など日本は特に災害が多い国といわれています。これらの自然災害に対して、各キャリアではさまざまな対策で通信障害の減少や早期復旧を目指した取り組みを実施しています。

 まずは、基地局のサービスを再開させること。

 KDDIによると、基地局が止まってしまう原因は大きく2つあり、ひとつは停電により電気が止まってしまうこと、ふたつめは光ファイバーケーブルなどの伝送線が断線してしまうことだといいます。

 これらを解消するために、停電した基地局に対しては電源車や発電機を手配すること、伝送線断線に対しては衛星通信によるネットワークセンターとの通信経路を確保することでサービスを再開させます。

 基地局の復旧が難しい場合や広い範囲で基地局が止まってしまった場合は、臨時の基地局を設置して通信サービスを実施します。車載型基地局や高層ビル上に設置する大ゾーン基地局など、さまざまな方法で臨時基地局を立ち上げます。

 KDDIの船舶型基地局は、沿岸部や島しょ部などをカバーする基地局で、北海道胆振東部地震のほか、最近では令和元年房総半島台風でも活躍しました。

 今後はドローンによる臨時基地局の立ち上げを各社すすめており、基地局としての活用はもちろん、被災者を見つける取り組みも行っています。

 災害時でも情報収集できる携帯電話サービスを目指し、各社の取り組みは今後も続きそうです。