ニュース

国内タブレット端末出荷台数は2013年度以降最低に、MM総研調査

 MM総研は、2019年度におけるタブレット端末の国内出荷台数の調査結果を発表した。総出荷台数は前年度比10.4%減の707万台となり、2013年度以降で最低となった。

 要因としてNTTドコモをはじめとしたセルラーモデル(LTE/3G通信対応モデル)の取り扱いが前年度よりもさらに減り、セルラーモデル比率は5年ぶりに50%未満となった。セルラー市場はピーク時の2017年度に比べ、4分の1に縮小した。

タブレット端末出荷台数の推移・予測(MM総研)
セルラー/Wi-Fi別出荷台数・シェア(MM総研)

メーカー別ではアップルが10年連続1位、ファーウェイは半減

2019年度通期 メーカー別出荷台数・シェア(MM総研)

 メーカー別では、アップルが375万台(シェア53.0%)で10年連続の1位となった。セルラーモデルのiPadは減少したが、Wi-Fiモデルがその落ち込みをカバーしたという。

 2位はファーウェイで、前年度比52.1%減の79.2万台(シェア11.2%)と半減した。NTTドコモの販売方針の変化により、同社の主力Androidタブレット「dtabシリーズ」が前年度に続き大幅に減少したことが響いた。

 以下、3位はNECレノボ・ジャパングループの60.9万台(8.6%)、4位は富士通(富士通クライアントコンピューティング、富士通コネクテッドテクノロジーズを含む)の47.5万台(6.7%)、5位はマイクロソフトの41.4万台(5.9%)と続いた。

OS別ではiOSが2年連続1位、Windowsは過去最高に

OS別出荷台数・シェア(MM総研)

 OS別では、iOSが375万台(シェア53.0%)と2年連続で1位となった。2位のAndroidは199万台(28.1%)で2012年度以降最低に、200万台を切るのは2011年度以来8年ぶり。3位はWindowsの133万台(18.8%)で、前年度より0.7万台減少したが、OS別シェアとしては過去最高となった。

大画面モデルが主力に

画面サイズ別出荷台数・シェア(MM総研)

 画面サイズ別では、「9インチ未満」が186.5万台(シェア26.4%)、「9インチ以上」が520.5万台(73.6%)となり、大画面タブレットの比率がさらに上昇した。

 9インチ未満の出荷台数が200万台未満となるのは2011年度以来で、主力としていた携帯キャリアのAndroidタブレットの減少が最大の要因となった。一方で、堅調なiPadは9インチ以上の製品が主力となっている。

2020年度は「GIGAスクール構想」と5Gによる需要増に期待

 MM総研では2020年度のタブレット出荷台数を前年度比11.7%増の790万台と予想。携帯キャリアによる販売はすでに消極姿勢で、短期的なV字回復は期待できないとした。

 一方で、2020年度以降の拡大が期待できるのが「児童・生徒に1人1台」を実現しようという「GIGAスクール構想」で、自宅での「リモート学習」の仕掛けとしても急速に議論が加速していることを要因とした。また、GIGAスクール構想では、学校におけるネットワーク環境にローカル5Gも検討されていることから、5Gによる特需も期待される。