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MM総研、2020年3月末の国内MVNO市場調査を公開

 市場調査コンサルティングのMM総研は、2020年3月末の国内MVNO市場調査を発表した。

MVNO市場推移

 MVNOサービスの回線契約数は1500.5万回線となり、前年比14.3%増を記録した。また、携帯電話契約数に占めるMVNOサービスの契約数比率は8.2%になった。

 事業者別シェアを見ると、楽天モバイルが1位を獲得。2位はUQ mobileを提供するUQコミュニケーションズとなった。

 楽天モバイルは、2020年4月からMNO事業を開始、UQ mobileも10月にKDDIに譲渡される予定で、KDDIのMNOのサブブランドという立ち位置となる。上位2事業者がMVNOからMNOに移ることになるため、2021年末のMVNO市場は、初のマイナス成長になると見込まれる。

携帯電話契約数に占めるMVNO比率は8.2%

 2020年3月末時点の携帯電話(3G、LTE、5G)契約数は1億8313.1万回線。MVNOの回線契約数は携帯電話市場全体から見ると構成比で8.2%となった。2017年9月末以降、伸び率は緩やかに鈍化している。

携帯電話契約数に占めるMVNOの契約数比率

事業者シェアは楽天モバイルがトップ、次いでUQ mobile

 2020年3月末時点でMVNO市場の事業者シェア1位は楽天モバイル。2位はUQ mobileを提供するUQコミュニケーションズ。3位はIIJmio・BIC SIMなどを提供するインターネットイニシアティブ。以下、OCNモバイルONEなどを提供するNTTコミュニケーションズ、mineoを提供するオプテージ、BIGLOBE SIMなどを提供するビッグローブとなった。

MVNO事業者シェア

 改正電気通信事業法が施行される直前の2019年9月に比べ、シェアが拡大したのは2位のUQコミュニケーションズと6位ビッグローブの2社でどちらもKDDIグループ。UQ mobileは10月にKDDIに統合され、auの店舗網を利用すると予想されるため、今後もKDDIグループのシェア拡大が続くとみられる。

楽天、UQ mobileのMNO移行で2021年末のMVNO市場は初のマイナス成長見込み

 2021年3月末時点のMVNO市場は、上位2事業者(楽天モバイル、UQコミュニケーションズ)の既存契約者がMNOに吸収されることで、統計開始以来初の純減となる1350万回線になる見込み。

MVNO市場予測

 2021年度以降は、個人向けスマホ用途での成長率は大幅に鈍化するが、IoT向けの需要拡大が進むことが予想される。2024年3月末時点では2485万回線となり、IoT向け回線比率は半数超となる54.3%に達すると予測する。

 UQ mobile事業がKDDIに統合される10月には、Y!mobileと合せて800万回線規模のサブブランドMNO勢力が誕生する。独立系MVNOがMNOとなった楽天や、UQ mobile、Y!mobileと戦うためには、更なる競争環境の整備が必要となる。