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ソフトバンクが法人向け新サービス――AI検温やMapboxとの合弁会社、プライベート5G

 ソフトバンクは、法人向けの新サービス説明会を開催した。アフターコロナに向けた新サービスや、プライベート5Gサービスなどを発表した。

新型コロナウイルス感染症でテレワークをサポート

代表取締役副社長執行役員兼COO 今井 康之氏

 代表取締役 副社長執行役員 兼 COO 今井 康之氏より、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために実施しているテレワークについて、ソフトバンクのサービスでテレワークをサポートしている事例の紹介があった。

 同社では、テレワーク導入支援の一環で、「ソフトバンクテレワークサポート」として、ラインワークスなど同社の一部のサービスを一定期間無償で提供し、新型コロナに関連したテレワークをサポートしている。

期間限定で無償・割引提供しているサービス

 また、緊急事態宣言の影響で同社サービスの新規加入数も急増している。グループウェアのMicrosoft365は前年同期比280%増、自宅で会社の電話を受けることが出来る音声通話サービスのダイアルパッドは前年同期比350%増など、多くの企業のテレワークをサポートできているとしている。

テレワーク関連サービスの新規加入者数

徹底した社員の体調管理ができるAI検温ソリューションを発表

 緊急事態宣言解除後など、アフターコロナの場面で会社へ出社する場合、従来以上に社員の健康管理を徹底する必要に迫られている。社員の健康を守るためにも、体温や体調の自己申告に頼らない健康管理方法として、同社では新たにAI検温ソリューションを展開すると発表した。

 AI赤外線サーモグラフィカメラで、誤差0.3℃の高精度な体温検知を実現した。また、AI顔認証デバイスを搭載し、マスクを着用したままでも認証可能になっている。

 同社では、汐留本社において社員の健康管理のため、入館ゲートと連動させた試験運用を行っている。今後移転予定の竹芝新本社でエレベーター運用や顔認証決済などと組み合わせた取り組みを検討しているという。

設置イメージ(ソフトバンク本社)
運用イメージ、OKの場合(左)とNGの場合(右)

 また、全国のソフトバンクショップ・ワイモバイルショップにも7月までに全店舗で設置を予定している。スタッフと来店ユーザーの検温を実施し、より安心して来店してもらえるようにするという。

ソフトバンクショップ店頭での設置イメージ

 AI検温ソリューションは、業種に限らず様々な企業で導入を検討されている。イオンの一部店舗では従業員の健康管理や来店客に体調管理を啓発するために導入されている。

Mapboxの日本での展開

 国連やアメリカ政府など世界中の機関や企業で使用されている地図プラットフォーム「Mapbox」について、ソフトバンクと合弁会社を設立し、「mapbox.jp」として、日本で展開する。

mapbox.jp

 日本でのマーケティング・営業サポートをソフトバンクが担当し、Mapboxは技術面の提供を行う。ソフトバンクの様々な機能と連携させることも考えており、様々なデータと組み合わせて新しいデータをリアルタイムで提供する。

 また、ソフトバンクの5Gを活用し、よりリアルタイムな計測を可能にするとしている。

プライベート5Gを2022年より展開予定

法人事業統括常務執行役員 藤長 国浩氏

 続いて、同社法人事業統括常務執行役員の藤長 国浩氏から、法人向け5Gのサービスについての紹介があった。この中では、法人向けの新たな5G通信サービス「プライベート5G」の発表があった。

 有線ネットワークでは、設備の増設やレイアウト変更に手間やコストがかかり、Wi-Fiの無線ネットワーク環境にした場合、ノイズが発生する場合があり安定した運用ができないといったデメリットが発生していた。5Gでのネットワークでは、超高速・低遅延・多接続を実現し安定したネットワーク構築を行えると語る。

 5Gネットワークにおいては、通信事業者が全国に環境を展開するパブリック5Gと企業や自治体が個別に展開するローカル5Gの2種類がある。工場内や企業の敷地内など、セキュリティの確保のためローカル5Gを選択する場合があるが、ローカル5Gは設置する企業が免許人となり、免許の申請や機器の設置などを自前で行わなければならない。

 プライベート5Gは、ローカル5Gのように敷地内のネットワークであるが、ソフトバンクが設置・運用を行う。ソフトバンクが免許を受けている帯域を使用するため、設置する企業が免許を申請する必要がなく、安定した運用を行えるとしている。使用する周波数帯や設備を調整することで、敷地外への電波の送出を抑えたり、パブリック5Gのネットワークへの影響は出ないようにするという。

パブリック5G、ローカル5G、プライベート5Gのラインナップ

 同社では、5Gを通じて遠隔医療など様々な社会のニーズに今後も対応していくとしている。