てっぱんアプリ!

無料で使えるオープンなAIチャットツール「HuggingChat」

 スマホを、もっと楽しく快適に使うには、アプリを活用しよう。本コーナーでは、続々登場する旬なアプリの中から編集部が厳選した、スマホユーザー必携の“てっぱん”アプリをご紹介します!

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アプリ名:HuggingChat
開発者 :Hugging Face, Inc.
価格  :無料
対応OS :iOS 15.0 以降
カテゴリ:仕事

 AIチャットツールの多くは無料で使える範囲に制限が設けられている。期待した結果が得られるようプロンプトを試行錯誤しているうちに上限に達して使えなくなってしまった、みたいなこともあるかもしれない。そんなときに試してみてほしいのが「HuggingChat」だ。

複数のAIモデルを選べて、無料で使える「HuggingChat」

無料でGPT-4並みの性能をフル活用可能

 「HuggingChat」は、オープンな機械学習プラットフォームを提供しているHugging Faceの公式AIチャットサービス。ChatGPTなどと同じような画面でテキスト入力してAIに指示・質問し、テキストでその回答が得られる。現在のところアプリはiOS版のみ提供されており、Android端末などではWebブラウザからアクセスできる。

 一番の特徴は無料で使えること。アプリではログイン(会員登録)する必要はあるが、特に厳しい制限は設けられていないようだ。そしてもう1つ、複数のオープンな大規模言語モデル(AIモデル)が用意されており、好みや目的に合ったものを選択してチャットできるのも大きな特徴となっている。

 最近ではGPT-4に匹敵する性能をもつとも言われるCommand R+というAIモデルが追加されたばかり。他にもMetaのLlama 3、GoogleのGemmaなど性能や強みの異なる計7つのAIモデルを選択可能だ。海外ではFacebookやInstagramに実装されているというLlama 3は今のところ日本国内のSNSでは使用できないが、本アプリを通じて簡単に、いち早く触れることができるのもメリットと言える。

アプリでは会員登録とログインが必要だが、利用は無料
Webブラウザ経由ではログインしなくても使える
7つのAIモデルから好きなものを選択可能
Command R+は最近追加された

日本語にも対応するが、一部機能はWebブラウザのみ対応

 アプリのインターフェースは英語固定だが、指示・質問は日本語でもOK。回答が英語になってしまうときは、日本語で回答するように指示すれば日本語に切り替わる。AIモデルごとにシステムプロンプトを設定しておくこともできるから、そこで日本語で回答するように指示しておくのもいいだろう。たとえばCommand R+を使ったときは、下記画像にあるような対話が可能だ。

Command R+で「インプレス」について説明してもらったところ
Command R+でWebアプリケーションのコードを生成してもらったところ
情報は2023年9月までのもの。2024年の出来事は正しく回答できない
Webブラウザからアクセスしたときは「Search web」をオンにすることでネット上の最新情報を元に回答する

 アプリでやり取りできるのは基本的にテキストのみで、画像生成には対応していない。また、たとえばCommand R+の場合は2023年9月までの情報しかカバーしていないとされ、それ以降の情報に関する質問には正しく回答できないことがある。ただし、Webブラウザ経由でアクセスしたときは「Search web」というオプション設定ができ、ネット上の新しい情報を元にした回答も可能だ。

 HuggingChatのサービス自体には、ChatGPTのGPTsに似た「Assistants」という機能もある。ユーザー自身が前提条件や処理内容などをカスタマイズして特定用途に適したAIチャットを作ったり、他のユーザーが作成した独自のAIチャットを利用できたりするものだが、これも直接利用できるのはWebブラウザ経由のみ。アプリから使いたいときは、いったんWebブラウザでAssistantsの利用を開始し、その後でアプリから履歴にアクセスする、という手順で試してみよう。

他のユーザーが作成した多数のAIチャットが公開されている「Assistants」
Webブラウザ経由でのみ利用可能。もちろん自作もできる