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ソフトバンクの「5G」は3月27日から。端末・料金・サービスを発表
2020年3月5日 14:47
ソフトバンクは3月5日、 5G商用サービスの開始に向けた新商品・新サービス発表会を開催した。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大防止の観点から、ライブ中継による実施となった。
コンシューマー事業を統括する榛葉淳副社長が登壇し、3月27日に開始する5G商用サービスの料金プランや端末、新サービス「5G LAB」が紹介された。
ソフトバンクの「5G」は3月27日開始、2021年中に人口カバー率90%へ
榛葉氏は冒頭、ソフトバンクの歴史を振り返り、iPhoneの国内初導入や2016年に他社に先駆けて発表した「ギガモンスター」による大容量プランの普及、2018年からグループとして力を入れるコード決済の「PayPay」など、情報革命を牽引してきたと語る。
スマートフォンの普及、そして動画などさまざまなコンテンツの利用を促進する大容量プランの普及によって、モバイルデータ通信量は10年間で2000倍以上に急増。5G時代にはさらに加速度的に通信量が増えていくとした。
高速大容量、低遅延、多接続といった特徴を持つ5Gサービスを実現するには、それを支える万全なインフラの整備が必須となる。全国23万カ所にある4Gの基地局を順次5G基地局に転換していくことや、2016年9月から世界の通信キャリアに先駆けて取り組んできた「Massive MIMO」の技術について触れ、迅速な全国展開に自信を見せた。2021年中に人口カバー率90%を目指す。
エンタメ・スポーツの体験価値を変える「5G LAB」
コンシューマー向け5Gサービスの開始にあたって、ソフトバンクが最重視する新サービスが「5G LAB」。発表会でも大部分の時間は同サービスの紹介とデモに割かれた。「エンタメ・スポーツの体験価値を変える」とうたうサービス群で、AR、VR、多視点映像、クラウドゲーミングの4つから構成される。
たとえば、音楽ライブを特等席で観るようなVR体験やスポーツ選手の活躍をさまざまな角度から見られる多視点映像配信など、高速大容量の5G通信を生かしたコンテンツが提供される。5G LABを構成するサービスの一部は、VRライブ配信アプリ「LiVR」など、5G時代に向けたサービスとしてすでに提供されてきたものを発展させた形で実現される。
クラウドゲーミングは、NVIDIAとの協業でベータテスト中の「GeForce NOW Powered by SoftBank」を実用化。2020年6月に正式サービスを開始する。従来なら本格的なゲーミングPCで遊ばれていたような重量級ゲームをクラウド上で処理し、端末の処理能力を要求しないストリーミング方式でノートPCやスマートフォン、タブレットでも遊べるようにするサービスだ。
5G LABの各サービスは、まずは5G時代のサービスを体験してもらうため、7月末まで無料で提供される。また、主要ソフトバンクショップ45店舗で3月5日から体験できる。
端末の初期ラインアップは「2画面スマホ」を含む4機種
サービス開始にあたって用意された端末は、Androidスマートフォン「LG V60 ThinQ 5G」「AQUOS R5G」「ZTE Axon 10 Pro 5G」「OPPO Reno3 5G」の4機種。「SoftBank Air」のようなCPEやモバイルWi-Fiルーターは現時点では発表されていない。
V60 ThinQ 5Gは、2019年12月に発売された「G8X ThinQ」に続き、専用ケースを装着することで2画面端末として利用できる。多視点映像などの5G向けコンテンツと親和性が高い機種として紹介された。
Axon 10 Pro 5GとOPPO Reno3 5Gはそれぞれ、Snapdragon 865とSnapdragon 765Gを搭載しており、性能から考えればハイエンド、ミッドハイレンジの機種と言えそうだ。しかし、プレゼンテーションやスライドの中ではAxon 10 Pro 5Gは「ミッドレンジモデル」、Reno3 5Gは「エントリーモデル」として紹介されており、5G普及に向けた戦略的な価格での提供が予想される。特に、Reno3 5Gについては「驚くような価格で、低価格で5Gをお楽しみいただく」(榛葉氏)とコメントされた。