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“ハブ不要”“サブスクなし”でスマートホーム普及を目指す「+Style」の取り組み
新型スマートライトや2019年の人気商品ランキングを発表
2020年2月5日 15:16
ソフトバンク系列で主にホームIoT製品を展開するプラススタイルは、新製品発表会を開催した。自社ブランドの新製品や「+Style」アプリの新機能が発表されたほか、2019年の人気商品ランキングも公開された。
“ハブ不要”“サブスクなし”で普及を目指す
+Styleは2016年にIoTプラットフォームとして始動。世界各国からのIoT製品を取り扱う一方、2018年から自社ブランドのスマートホーム製品も展開しており、自社ECサイトとAmazon.co.jp、PayPayモールでこれらの製品を販売している。2019年は30種類の新商品を発売し、その半分の15種類を+Styleオリジナルのスマートホーム製品が占めた。
「スマートフォンの次にヒットする“スマホ”はスマートホーム」だと近藤正充社長は語る。その言葉通り、+Styleのオリジナル製品に通底する考え方として、ITリテラシーや最新機器への関心が高い層以外にもスマートホームを広めることが意識されており、手に取ってもらいやすいように配慮した商品設計となっている。
近藤氏は、普及を意識したポイントとして「毎日使える普通の家電」「求めやすい価格」「サブスクなし」「ハブ不要」という4点を挙げる。
日本初のE17口金のスマートLED電球をはじめとして、普通の家電にスマート機能をプラスした、家庭に取り入れやすい製品作りを心がける。スマート家電以外との競争力も十分に持ち得る価格設定も重視しており、瞬間風速的な記録ではあるが、通常のLED電球に混じって、Amazonの「LED電球」売れ筋ランキングでスマートLED電球が2位を獲得したこともあるという。
導入コストの安さに加えて“サブスクなし”、つまり月額料金不要でサービスを利用できる提供形態としている。競合他社のスマートホーム製品では、「月額料金+最初に払う機器代金」「月額料金+機器のレンタル料」「機器代金込みの月額料金」といった継続課金のビジネスモデルもあるが、現時点ではまだ、消費者マインドとしてスマートホームに毎月料金を支払う価値があるとは認識されていないと判断。近藤氏は、「(サブスクリプションモデルは)映画や音楽のようにすでに価値を理解されているものには合うビジネスモデル」としながら、スマートホームにおいてはまずサービスを普及させ、利便性を広く知ってもらうことを優先する考えを示した。
そして、導入のハードルを下げるもうひとつの要素が、複数の機器を束ねるスマートホームハブの設置を前提とせず、オリジナル製品はすべて単独でWi-Fi接続が可能な仕様としていること。ハブを前提とすると、機器の役割や設定の必要性などが初めて使う人には直感的に理解しにくく、セットアップも煩雑になってしまうことから、スムーズに使えることを重視した仕様としている。
新製品はスマートライト2種
+Styleオリジナルの新製品として、「スマートLEDデスクライト」「スマートLEDベッドサイドランプ」が発表された。いずれも、+Styleアプリやスマートスピーカーから点灯・消灯、調光や調色の操作ができる。価格は、デスクライトが4200円(税込、以下同)、ベッドサイドランプが3280円。
平面発光で卓上を広く照らすスマートLEDデスクライトは、自然光に近いRa85の高演色LED照明を採用する。電球色(2700K)から昼白色(6500K)までの範囲で色温度を変更でき、アプリからの操作なら無段階で調整可能。
タイマー設定で照明を点滅させて時間を知らせることもでき、勉強中などに集中力を維持するための時間管理術「ポモドーロテクニック」(25分間集中、5分間の休憩を繰り返す手法)の実践にも役立つという。
スマートLEDベッドサイドランプは、直径11cmのコンパクトな円筒形でベッドサイドの小さなスペースにも設置できる。白色の発色にこだわり、1677万色対応の調色可能なLEDとは別に白色LEDを搭載した。同じくタイマー設定も可能で、ナイトライトとしてだけでなく、強い光で起床をサポートする使い方もできる。
GPS連携で家電を自動ON/OFF、+Styleアプリの新機能
+Styleアプリの新機能として、2月下旬以降に「GPS連携」機能を追加。Android版、iOS版のどちらも対象で、当初はベータ版機能として提供される。
自宅や職場などを起点に半径数百mのエリアを指定しておくことで、スマートフォンのGPS位置情報をもとに、指定エリアに入った時、あるいは指定エリアから出た時に家電を自動操作できる。たとえば、外出時に自動で照明やテレビの電源を消してロボット掃除機を起動したり、条件設定をして気温に応じて帰宅時に自動でエアコンをつけたりできる。
2019年の人気商品は?
+Styleオリジナルのスマートホーム製品と他社製のIoT製品の両方を含む「2019年 IoT商品人気ランキング」も発表された。
+Styleの自社ECサイトとAmazon、PayPayモールなどでの売上を合算したもので、総合部門の1位はスマートロック「Qrio Lock」だった。2位から5位まではオリジナル製品が並び、スマートロボット掃除機やスマートマルチリモコン、スマートLEDシーリングライトがランクインした。
スマホ・ガジェット部門では、小型Androidスマートフォン「Palm Phone」が1位。5位にはミニマルデザインのベーシックフォン「Punkt. MP02」、9位には充電不要のスマートウォッチ「MATRIX PowerWatch Series 2」がランクインし、多様化するモバイルデバイスへの関心も結果に表れた。