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ドローン基地局や船舶型基地局も登場、陸・海・空のKDDI防災訓練
2019年3月1日 20:32
KDDIは3月1日、「2018年度 KDDI災害対策公開訓練」を横浜市で実施した。KDDI総合研究所やUQコミュニケーションズも参加し、陸・海・空のさまざまなアプローチで迅速なエリア復旧を目指す同社の災害対策技術が披露された。
陸上からの対策としては、イベント開催時などの混雑対策でも姿を見かける移動基地局車のほか、必要な場所に運んで短時間で設営できる可搬型基地局がある。また、基地局そのものは稼働可能な状態ながらバックボーン回線が遮断されているケースに対応するため、衛星アンテナによる既存基地局の復旧手段も用意されている。
可搬型基地局や衛星アンテナによる復旧に関しては、通常の手段で基地局に到達できない場合には、自衛隊の協力による輸送も行う。訓練では、自衛隊車両による可搬型基地局の輸送、ヘリコプターによる衛星アンテナの輸送が実演された。
海上からの対策としては、昨年9月の北海道胆振東部地震の際に初運用された「船舶型基地局」がある。海底ケーブル敷設船「KDDIオーシャンリンク」に機材を積み込み、停電などで地上の設備が利用できない場合でも沿岸部のエリア復旧に活躍する(関連記事)。
空からは、ドローンに基地局設備を搭載した「ドローン基地局」によるエリア復旧を行う。主に移動基地局車などが到達できない場所での利用を想定したもの。
ドローン基地局はこれまでの公開訓練でも披露されているが、新たに、ドローン基地局を利用して飛行エリア内の携帯電話の位置を推定することで、倒壊した家屋やがれきの下にいる被災者の捜索を支援する技術が披露された(関連記事)。