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ドコモの値下げ予告、自民党・小林議員がコメント

 NTTドコモの「来春値下げ」宣言が話題だ。株価にも大きな影響を与えた今回、つい先月まで総務大臣政務官として、通信分野を担当していた、自民党の小林史明衆議院議員がこれらの動きに対するコメントを出した。本誌では全文をそのまま掲載する。

小林議員(2018年10月、政務官在任時に撮影)

小林議員のコメント

 NTTドコモが約4000億という大規模な利用者還元を発表しました。情報通信政策とその先の国民の皆さんのモバイルライフにコミットしている政治家として、これらの発表を通じて、モバイル市場は国際基準にほぼ近づき、次のステージに移る入り口に立ったと確信しています。

 また、KDDIと楽天の業務提携が発表されました。このような提携は海外でも事例があり、その目的は楽天のエリア構築が完了するまでの間、地方エリアにおけるローミング(電波と設備を借りること)であり、楽天参入時からドコモかKDDIとローミングするのではと予想されていましたが、KDDIに落ちつき、楽天の早期サービス開始が期待されます。

 今回の端末と通信の分離については、以前から通信キャリアの中では検討されてきたことであり、中古端末の流通やMNPの促進、および公正取引委員会の端末メーカーに対する動きによって環境が整ったとともに、来年秋の楽天参入も見据え、経営判断をされたと理解しています。

 これまでは、端末と通信がセットになっていることが、いわゆる“ケータイ料金”が高止まる大きな要因となっていました。iPhoneを始めとする携帯端末の値段が上がっているので、その端末販売価格を下げるために、いわゆる“4年縛り”、キャッシュバック施策や代理店手数料で利用者の囲い込みが蔓延していました。その結果、コストが発生し、最終的にはそれが利用者の通信料金に跳ね返っていました。

 今回、端末と通信を分離し、端末販売に費やしていた費用が軽減されることで、将来的には今回の減収はある程度カバーできると私は見ています。

 利用者にとっては、携帯端末と通信料金のセット販売は、スマホが登場した時は初期費用が少なく手に取りやすいというメリットがあったかもしれませんが、一方、本来の通信料金がわかりづらく、料金プランもどんどん複雑になり、他社との比較もしづらく、長時間の窓口対応の一因にもなっていました。

 今回の各社の取り組みによって、利用者にとって、料金はわかりやすくなり、端末の選択肢も広がっていきます。

 楽しい時間を共有する、調べ物をする、災害時に情報を得る――モバイルは私たちにとって24時間365日片時も手離せないものになりました。そのモバイルがより良い環境で一人一人に役に立つように、適切な料金、高い品質、よりよいサービスを事業者が実現できる環境をつくることが重要だと考えています。

 政務官時代に注力したモバイル市場改革で、中古端末の流通や、キャリア間の乗り換え促進などの健全な競争が生まれる環境作りが、これから具体化されていくことを嬉しく思っています。

 今後は、通信キャリアは端末の機能や値段で勝負するのではなく、通信サービスのクオリティに加え、来たる5G時代に他産業の事業者と連携し、IoTサービスで、どのような新しい景色を利用者に見せていけるかの勝負となるのだと思います。

 皆さんにワクワクするような日本の景色をお見せできるよう、今後も情報通信をはじめとするテクノロジー政策に注力していきます。