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クルマ同士で4K360度映像をリアルタイム伝送、ソフトバンクが芝大門で5G実験
2018年10月25日 19:28
移動するクルマから送信した4K360度の映像を、別の移動するクルマでリアルタイムに視聴する――25日、ソフトバンクが披露した、5G(第5世代の移動通信規格)実験で披露されたデモンストレーションだ。
2020年ごろに商用化される「5G」。人もビルも多く存在する都心部で、きちんとうまく動作するのか、ソフトバンクでは2018年2月から東京・芝大門周辺で実験を進めてきた。
今回の実験では、200m間隔で3つの5G実験用基地局を整備。移動するクルマで大容量の映像データをリアルタイムに送受信することで、通信品質が安定していることをわかりやすく示している。なお実験は、4.7GHz帯の100MHz幅を利用、基地局側は64の素子を持つMassive MIMO、クルマに搭載される端末側は8つのアンテナ(下りに8つ、上りに4つのアンテナを使用)を備えるMIMOという装備となっている。
5G時代、リアルなユースケースを目指して
大容量・高精細な映像コンテンツを、移動中のクルマでダウンロードすること自体は、他キャリアでも実験している。そうした中で、ソフトバンクが今回、実験で目指しているのは、現実的なユースケースだ。
4Kかつ360度という映像は、VR(仮想現実)向けのコンテンツだが、ソフトバンクの担当者によれば、テレイグジスタンスや、テレワークのような用途を想定したもの。移動中のクルマのなか、たとえば救急車で患者を病院を目指す中、医者自身も交通機関で移動、といった場合でも、5G経由で高精細な映像を伝送でき、医療行為に役立つのではないかという目論見だ。
エリアの際でも大容量通信でカバー
デモンストレーションのなかでは、カメラを搭載する送信側のクルマがサービスエリアの端まで行き、電波環境が厳しく、電波があまり届かない状況で映像を送り出すことにもチャレンジ。
従来のLTEであれば、そこまで電波(電界強度)が落ちると、送信、つまり上りの通信速度が限られてしまい、大容量・高精細な映像コンテンツを送るのは難しくなる。ところが通信速度がLTEよりも格段にアップする5Gであれば、エリアの端でも、今回の実験で用いられたビットレート25Mbps程度の映像は楽々、送信できていた。ソフトバンクの担当者も「初めて実験した際には、ここまでできることに驚いた」と手応えを感じてる様子だった。