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コンビニなど異業種も参加、最新技術が集結する「CEATEC」16日開幕

 千葉県の幕張メッセで、10月16日~19日にかけて「CEATEC JAPAN 2018」が開催される。ITやエレクトロニクスの幅広い分野を網羅した総合見本市で、今回はスマート決済やAIといった取り組みでコンビニや銀行も大きな展示ブースを構えており、IoT時代の到来を目前に控え、さまざまな未来の可能性がみえる展示会となっている。

 会期の前日にあたる15日の午後には、報道陣向けに会場がオープンし、一部を取材することができた。なお、多くのブースは初日の16日に向けて設営中であり、取材できないものもあった。以下ではモバイル関連で、設営中でも取材が可能だったものをまとめている。

「CEATEC JAPAN 2018」各ブースとも設営中の様子(15日)

KDDI

 KDDIは最も目立つ場所に「au 5G」と掲げ、ブース内はAR、VRなど最新技術を駆使した5G関連のデモで揃えている。もっとも、5Gの電波は吹かれていないとのことだったが、5G時代で便利になる取り組みをいち早く、さまざまなデモで紹介する内容。

 同社はこれまでも、体感型スタジアムなどの新しいスポーツ体験や、屋外でのARシューティングアトラクション、地方活性化でVRを活用する取り組みなど、さまざまなデモを発表しており、これらが一堂に会した形になっている。

 新しい展示は「12K 360度画像対応のVR」。複数のユーザーがVRヘッドセットを使って同時に視聴することができ、不動産や観光案内などでの利用を見込む。ブースでは長野県飯田市の観光案内をVRヘッドセットで体験できるようになっている。

シャープ

 シャープのブースは、15日に発表された8KテレビやAIoT家電が中心。スマートフォン関連では、有機ELディスプレイを採用した「AQUOS zero」やその分解モデルを展示している。また、S字型やアーチ型に曲げた、フレキシブル有機ELディスプレイも参考出展しており、さまざまな形状にフィットさせられる様子を確認できる。

 AQUOSブランドではこのほか、参考出展として、首掛け型でBluetoothで接続するネックスピーカーのデモも行われていた。今後詳細が発表されるという。

 ロボホン関連では参考出展として、生活習慣をチェックするための新たな指標として提唱している「最終糖化産物」の測定器「AGEsセンサ」の測定結果やアドバイスをロボホンが読み上げるデモが展示されている。「AGEsセンサ」は店舗や研究機関向けに提供されており、プリンターから排出されるデータ(QRコード)を次回持ち込んで読み込ませれば、測定結果の推移も一緒に確認できる。

NTTドコモ

 NTTドコモは、NTTグループが出展するブースの中の1コーナーという形で、小規模な紹介にとどまる。ここでは「5G」のデモとして、離れた場所でもスポーツやコンサート映像をライブで体験できるという「360度パノラマ8K VRライブ配信・視聴システム」が紹介されている。

ローソン

 CEATECに出展する多くの企業からすれば異業種ともいえるのがローソン。AIや最新技術を組み合わせた新たな店舗の在り方を模索している様子が紹介されており、中でも報道陣の注目を集めていたのは、商品をゲートに通すだけで決済できる「ウォークスルー決済」のデモだった。

 この「ウォークスルー決済」の取り組みは10月4日に発表されていたもので、スマートフォンと、実際にRFIFタグが取り付けられた商品を使い、決済する様子を体験できる。RFIDタグの付いた商品は、袋にひとまとめに入れゲートを通過させるだけで一気に決済でき、すぐにレシートがスマートフォンアプリに届くようになっている。

「ウォークスルー決済」の体験デモ

京セラ

 京セラは15日、金属や水の近くでもアンテナ特性が低下しないという小型アンテナ「Amcenna(アムセナ)」を発表し、「CEATEC AWARD 2018」の総務大臣賞を受賞したことを発表している。ただ15日の取材時は、ブースの設営は佳境を迎えており、詳細を確認することはできなかった。

 IoT関連では、新製品として、LTE-M(LTE Cat.M1)に対応し、さまざまなセンサーやバッテリーを内蔵したオールインワンユニット「IoTユニット」や、AWSのワンクリックのサービスに対応したボタンデバイス「LTE-Mボタン」が展示されている

 参考出展では、骨伝導方式のネックバンド型ヘッドセットの形状で、複数の生体情報を連続取得できる「生体センシングウェアラブルデバイス」が紹介されている。体温や脈拍、血中酸素飽和度など6種類の生体情報を取得でき、Bluetoothでデータをスマートフォンなどに送信する。

 デバイスはヘルメットや帽子、メガネと同時使用が可能で、バイクや登山といった趣味のほか、リハビリや保険関連、土木建築関連、長距離ドライバーなど、さまざまな利用シーンが紹介されている。

 展示されるデバイスには「HRC」(ホンダ・レーシング)のロゴも刻印されており、京セラが通信関連で技術協力するダカールラリーの「モンスターエナジー ホンダチーム」の車両(バイク)も展示、メカニックがこのウェアラブルデバイスを装着している様子が紹介されている。