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富士通、“洗える”arrows夏モデルを紹介

新体制では、端末だけでなくサービス・法人向けソリューションも取り組む

 富士通コネクテッドテクノロジーズは、事業方針および、NTTドコモの2018年夏モデルとして提供される「arrows Be F-04K」の機能を紹介する報道関係者向け説明を開催した。「arrows Be F-04K」は25日に発売予定で、23日よりドコモオンラインショップでの購入手続きが開始している。

arrows夏モデル arrows Be F-04K

arrows Be F-04K(左)と2017年冬モデルarrows NX F-01K(右)との暗所撮影の比較。ミドルレンジモデルながらF-04Kのほうが明るく撮影できている。

 高田氏はスマホの性能で不満が出やすいのはカメラ性能と指摘。ミドルレンジの端末でも取りたいシーンを逃さないように、「arrows Be F-04K」では位相差AFセンサーを全画素に割り当てることでピント合わせが速く、正確になった。また、センサーの受光面積が56%アップ、レンズの明るさを表すF値も2017年夏モデルのF2.0からF1.9になるなどの向上が図られた。

 動画撮影ではフォーカスを合わせたい被写体をタッチするまたは、指で丸く囲うと、カメラ自ら、ズームで追いかけて撮影をする、Live Auto Zoomモードが追加された。

フォーカスを合わせて撮影したい被写体を囲う
自動的にズームされて、フォーカスが合う

 洗えることについて高田氏は、スマートフォンのように毎日触るもので、洗えないものは意外に汚れていると説明。会場では、実際にステージ上で、洗う前と洗った後の比較がされた。担当者が実際に数日間利用したスマホが使われ、専用の測定器を使い、汚れの度合いを数値化した。水洗いの洗浄だけではパソコンのキーボードより汚いという結果になったが、泡を使って洗浄することで、きれいに洗浄されることが示された。

 洗うことができる同社製の「arrows M04」とUSBコネクターの形は異なるが、同程度の洗浄に耐えられる性能を保っているという。

実際にステージ上で洗われるデモが行われた

 従来から採用しているSOLID SHIELD構造は、2017年夏の従来モデルに比べ、曲げに対する強度が15%アップしている。今までのarrowsでは、落下時に画面が直接当たらないよう、画面保護フレームが4辺にあったが、F-04Kでは、上端と下端と2辺のみとし、左右は2.5D加工のガラスになっている。担当者によると、落下時には上端と下端が先にあたることで、左右は守られるため、デザインを優先しこのような形になったという。強度に関しては従来機種と変わらない。

上端・下端のみの画面保護フレーム

 2017年の冬モデルから採用された「Exlider(エクスライダー)」がF-04Kにも採用され、機能が追加された。従来のExliderは、本体側面にあるセンサーに触れた後、なぞる操作により、Webページなどのスクロールを可能としていたが、この操作が左手では難しかった。今回は、「触れて操作」という機能が追加され、センサーを上下2分割し、どちらか触れるだけでスクロールができるようになった。これにより、なぞらなくても、スクロールができる。従来のなぞって操作する方法と設定で選択が可能。

「触れて操作」時の画面表示
Exliderの操作

 また、会場では、2017年冬モデル「arrows NX F-01K」をAndroid 8.1にバージョンアップされたものが展示されていた。「arrows NX F-01K」はまだ、Android 8.1へバージョンアップできず、今回参考として展示。OSバージョンアップの時期は未定。

会場の展示

同社の強みの技術を事業展開に活かす

富士通コネクテッドテクノロジーズ 代表取締役社長の高田克美氏

 富士通コネクテッドテクノロジーズ 代表取締役社長の高田克美氏は、同社の強みとなる技術でプロダクト・サービス・ソリューションに事業を拡大していくという。

 プロダクトの技術で高田氏は、同社のキッズ端末~らくらくシリーズまで幅広い年齢層向けに活かしているユニバーサルデザインの技術、フィーチャーフォンから採用している指紋認証などのセキュリティ技術やスマートフォンの買い換えサイクルの長期化において必要とされる堅牢・耐久技術を強みとして挙げた。

 サービスの面ではシニア向けSNSとして運営している「らくらくコミュニティ」、ヘルスケアサービスの「ララしあ」を取り上げ、今後もメニューやコンテンツの品揃えの充実を図る。

 ソリューションでは、アジアを中心とした海外の市場に向けての取り組みやNXPセミコンダクターズとのIoTプラットフォームの開発支援、技術サポートを行う。自動車関連の企業からの声掛けもあるという。

ポラリスとの新体制について

 4月からのポラリス・キャピタルグループとの新体制については、端末を製造しているジャパン・イーエム・ソリューションズとともにポラリス側のノウハウを生かし支援を受けながら、端末にとどまらず事業を拡大していくという。